オルレアン大聖堂 Orléans Cathedral
フランス、オルレアンに建つゴシックの大聖堂。ジャンヌ・ダルクゆかりの聖堂として知られる。中世のゴシック大聖堂が宗教戦争で破壊されたのち、アンリ4世が1601年から再建を始め、ゴシック様式のまま2世紀をかけて1829年に完成した。フランス最後期のゴシック大聖堂の一つである。
§1 — 概要概要
フランス中部の都市オルレアンに建つ、ローマ・カトリックの大聖堂である。正式には「聖十字大聖堂」と呼ばれる。中世にさかのぼる歴史をもちながら、現在の建物の多くは17世紀から19世紀にかけて再建されたものである。フランスでも最後期に属するゴシックの大聖堂として知られ、ジャンヌ・ダルクゆかりの聖堂でもある。
歴史
この地には4世紀から聖堂があったとされる。13世紀末、老朽化したロマネスクの聖堂に代えて、ゴシックの大聖堂の建設が始まった。1429年、オルレアン包囲のさなか、ジャンヌ・ダルクはこの聖堂でミサにあずかったと伝えられる。
しかし1568年、宗教戦争のなかで新教徒(ユグノー)が交差部の柱を爆破し、聖堂は大きく損なわれた。ナントの勅令ののち、国王アンリ4世が再建を決め、1601年に礎石が据えられた。再建は、残された中世の部分に合わせてゴシック様式で進められ、歴代のブルボン朝の王が事業を引き継いだ。内陣は17世紀前半に、翼廊はルイ14世の時代に整えられた。二つの塔をいただく壮大な西側正面は18世紀に設計され、革命による中断をへて、1829年、ジャンヌ・ダルクによる包囲解放から400年の年に、ようやく落成した。
建築的特徴
外観は、飛梁や数多くの小尖塔、交差部にそびえる尖塔など、ゴシックの要素にあふれている。とりわけ西側正面は、三つの彫刻に富んだ扉口とバラ窓、二つの塔からなる、フランボワイヤン・ゴシックの華やかな構成をとる。内部は五廊式の幅広い身廊をもち、簡素ながら天井が高く、垂直性を強調した空間が広がる。尖塔の高さは114メートルに達する。
意義・現在
オルレアン大聖堂は、中世に始まり近代に完成した、稀有な歴史をもつ建築である。ゴシック様式が古典主義の時代を越えて受け継がれた点で、建築史のうえでも興味深い。ジャンヌ・ダルクの物語を描いたステンドグラスをはじめ、聖堂は今もオルレアンの象徴であり、街の信仰と歴史の中心であり続けている。
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