ペルガモン博物館 Pergamon Museum
ベルリンの博物館島に立つ、古代建築の復元展示で名高い博物館。アルフレッド・メッセルが設計し、その死後ルートヴィヒ・ホフマンが1910年から1930年にかけて完成させた。ペルガモンの大祭壇やイシュタル門を擁する。
§1 — 概要概要
ペルガモン博物館(Pergamonmuseum)は、ベルリン歴史地区の中州、博物館島に立つ博物館である。三翼からなる大規模な建物で、古代建築の遺構を原寸で復元・展示することで世界的に知られる。設計は建築家アルフレッド・メッセルが手がけ、その死後を友人のルートヴィヒ・ホフマンが引き継いで、1910年から1930年にかけて建設した。古代美術コレクション、古代オリエント博物館、イスラム美術博物館の三館を収め、ペルガモンの大祭壇をはじめとする巨大遺構を擁する。
歴史
発掘が進んだ19世紀末、ベルリンの博物館は出土した建築遺構を収めきれなくなっていた。同じ敷地には先行する小規模な博物館が建っていたが、基礎の不備から取り壊された。新館はカイザー・フリードリヒ博物館長ヴィルヘルム・フォン・ボーデの構想に基づき、メッセルが1906年から設計に着手したが、1909年に没した。あとを継いだベルリン市建築局長ホフマンが、第一次世界大戦と1920年代の激しいインフレという困難のなかで工事を進め、1930年に開館した。第二次大戦末期の1945年には空襲で大きな損害を受け、所蔵品の多くがソ連へ運ばれて、一部はなお返還されていない。
建築的特徴
左右に翼を広げた三翼構成をとり、中央の翼にペルガモンの大祭壇を収める大ホールを置く。様式は、歴史主義の過剰な装飾を削ぎ落とした簡素な古典主義(ストリップト・クラシシズム)に位置づけられ、量塊と比例の明晰さで記念碑性を表す。最大の特徴は、建物を単なる器ではなく、展示する古代建築そのものの一部とした点にある。来館者は祭壇の大階段を上り、ミレトスの市場門をくぐり、青い釉薬煉瓦のイシュタル門とバビロンの行列通りを歩くことで、古代の都市空間を身体で体験する。
意義・現在
ペルガモン博物館は、博物館島の五つの建物の最後を飾るものとして、博物館という制度が建築的・社会的に成熟した到達点を示す。1999年、博物館島は建築と博物館史への貢献を理由にユネスコ世界遺産に登録され、本館はその中核をなす。一方で建物は老朽化が著しく、技術設備の刷新と展示空間の再編のため、2023年10月より全面休館に入った。マスタープランに基づく大規模改修は長期にわたる見込みで、再開は段階的に進められる。古代建築を「歩いて体験させる」その展示思想は、改修を経てなお引き継がれようとしている。