EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ピレリ・ビル
© Albertomos / Public domain
FIG. 01 — Q920809
様式 · モダニズム建築 時代 · 近代モダニズム 類型 · 超高層 ★ イタリア指定文化財(beni culturali)

ピレリ・ビル Pirelli Tower

Grattacielo Pirelli

ミラノに建つ、高さ127メートル・32階の高層建築。ジオ・ポンティが構造技師ピエール・ルイジ・ネルヴィらと設計し、1956年から1960年にかけて建てた。両端が先細りになる薄い平面で、当時主流だった箱型の摩天楼を脱した、戦後イタリアの復興を象徴する建築である。

FIG. 02 — Location45.4848° N 9.2012° E
イタリア ロンバルディア州 ミラノ
§1 — 概要

概要

ミラノの中央駅にほど近い、高さ127メートル・32階の高層建築である。タイヤ製造で知られるピレリ社が、自社の本社屋として建てた。建築家ジオ・ポンティと構造技師ピエール・ルイジ・ネルヴィらの協働により、それまでの箱型の摩天楼とは異なる、薄く先細りの姿をもつ。「ピレローネ(大きなピレリ)」の愛称で親しまれる、戦後イタリアを代表する近代建築である。

歴史

第二次世界大戦で被災したピレリの工場の跡地に、戦後の復興と企業の成功を示す塔として計画された。1956年に着工し、イタリアが「経済の奇跡」と呼ばれる好況にわくなか、1960年に完成した。完成当時、127メートルの高さはイタリア一であり、ミラノの守護像「マドンニーナ」を戴く大聖堂をしのぐ高さに、議論も呼んだ。

1978年、建物はロンバルディア州の所有となり、州政府の庁舎として用いられるようになった。2002年には小型機が衝突する事故に見舞われたが、修復された。

建築的特徴

平面は長方形ではなく、中央が広く、両端へ向かってしだいに細くなって、先端ではほとんど閉じる。この薄く尖った形が、塔に類のない軽やかさを与えている。構造には、当時アメリカで主流だった鋼鉄の骨組みではなく、鉄筋コンクリートが用いられた。上にゆくほど細くなる柱が建物を支え、内部には間仕切りの少ない開かれた事務空間が生まれた。ガラスとアルミニウムの外壁が、空を映してその輪郭をいっそう際立たせる。

意義・現在

ピレリ・ビルは、アメリカ流の画一的な摩天楼に対し、構造と造形の一体から生まれる「イタリアらしい」高層建築を示した作例である。その優美な姿は、ニューヨークのパンナム・ビルなど、後の高層建築にも影響を与えた。今もミラノの空に立ち、戦後の都市が描いた理想の記念碑であり続けている。

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LAST EDIT — 2026.06.21
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