EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ポントカサルテの水道橋
© Adrian Pingstone / Public domain
FIG. 01 — Q158822
時代 · 新古典・歴史主義 類型 · インフラ ★ ユネスコ世界遺産「ポントカサルテ水道橋と運河」(2009年登録)

ポントカサルテの水道橋 Pontcysyllte Aqueduct

Traphont Ddŵr Pontcysyllte

北ウェールズ、ディー川の谷に架かる通船可能な水道橋。テルフォードとジェソップが手がけ1805年に完成した、鋳鉄の樋を石造橋脚で支える産業革命期の傑作で、世界最高所の運河水道橋とされる。

FIG. 02 — Location52.9702° N 3.0878° W
イギリス ウェールズ レクサム
§1 — 概要

概要

ポントカサルテの水道橋(Pontcysyllte Aqueduct)は、北東ウェールズのリャンゴスレン谷で、ランゴレン運河をディー川の上に渡す通船可能な水道橋である。フロンカサルテとトレヴァーの集落のあいだを結び、運河水道橋としては世界で最も高く、イギリスで最も長い。鋳鉄の樋を細い石造橋脚が空高く支える姿は、産業革命期の土木技術の到達点として名高い。

歴史

未完に終わったエルズミア運河計画の中核として構想された。設計と施工は、現場技師トーマス・テルフォードが、より経験を積んだ主任技師ウィリアム・ジェソップの監督のもとで担った。1795年に基礎石が据えられ、設計・建設・試験に10年を費やして1805年11月に開通した。鋳鉄の部材は近隣プラス・キナストンのウィリアム・ヘイズルダインの製鉄所で鋳造され、総工費は約4万7千ポンドにのぼった。当時としては前例の乏しい大胆な構想であり、その開通は大きな注目を集めた。

建築的特徴

19の径間(18基の橋脚)からなり、全長307m、谷底からの最大高は約38mに達する。重量を抑えるため、石造の橋脚は上方ほど細る中空の構造とされた。革新の核心は、運河の水を従来の粘土張りでなく鋳鉄の樋で保持した点にあり、これにより自重を大きく減じ、谷を一気に渡る無段の水路を実現した。樋の片側には鋳鉄の梁で曳舟道が張り出し、その下を水が満たすため、船はあたかも宙に浮かぶように谷を渡る。

意義・現在

鋳鉄を大規模に用いた初期土木の傑作として、テルフォードの名声を確立した事業である。第一級指定建築物(グレードI)であり、2009年には前後の運河とあわせて「ポントカサルテ水道橋と運河」としてユネスコ世界遺産に登録された。現在もナローボートが静かに行き交い、谷を渡る遊歩と舟運の名所として親しまれている。

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LAST EDIT — 2026.06.28
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