© Steve Morgan / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q7231890
ポートランド・ビル Portland Building
アメリカ、ポートランドの市庁舎オフィス。1982年、マイケル・グレイヴスの設計で完成した、ポストモダン建築の記念碑。明るい色彩と象徴的な装飾で、簡素なモダニズムに物語を取り戻した。
§1 — 概要概要
ポートランド・ビル(Portland Building)は、アメリカ・オレゴン州ポートランドに立つ市の公共オフィスビルで、マイケル・グレイヴスの設計による。1982年に完成し、ポストモダン建築の記念碑的作品として、しばしばその出発点に数えられる。
歴史
公共建築のコンペで選ばれたグレイヴスの案は、ガラスの箱が当たり前であったオフィスビルの常識を覆すものだった。明るい色彩と、古典建築を思わせる象徴的な装飾を大胆にまとったこの建物は、賛否の激しい論争を呼びながら、ポストモダン建築の流行を決定づけた。実用面での批判もあり、近年は大規模な改修を受けている。
建築的特徴
四角い量塊を基調としながら、その表面には、巨大な「鍵石」や柱を思わせる装飾が、明るいクリーム色・青・赤褐色で描かれている。これらは構造とは無関係の、純粋に象徴的・絵画的な装飾である。古典建築の語彙を引用しつつ、それを巨大に拡大し、平面的に貼り付けることで、グレイヴスは、簡素なモダニズムが捨てた「意味」や「物語」を、建築に取り戻そうとした。
意義・現在
ポートランド・ビルは、少ないことは退屈だというポストモダンの精神を、初めて大規模な公共建築で形にした作品である。装飾と歴史の引用を肯定するその姿勢は、世界中に広まった。機能や快適性をめぐる批判もあったが、20世紀後半の建築の転換点として、その歴史的な位置は揺るがない。
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