EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアン
© Niels98 / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q275429

エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアン Ramón Sánchez Pizjuán Stadium

Estadio Ramón Sánchez-Pizjuán

スペイン・セビリアにあるセビージャFCの本拠地。1958年に開場した、急勾配の観客席で知られる楕円形のスタジアム。設計はマヌエル・ムニョス・モナステリオ。1982年W杯の舞台にもなった。

FIG. 02 — Location37.3839° N 5.9705° W
スペイン アンダルシア州 セビリア
§1 — 概要

概要

スペイン南部、アンダルシア州の都市セビリアのネルビオン地区に建つサッカー専用スタジアムである。スペイン屈指の古豪セビージャFCの本拠地として、1958年の開場以来この地に親しまれてきた。スタンドを急勾配でピッチに迫らせた楕円形のボウルは、観客と選手が一体となる濃密な雰囲気を生み、「ラ・ボンボネーラ・デ・ネルビオン(ネルビオンの菓子箱)」の愛称で呼ばれる。名は、建設を推進したクラブ会長ラモン・サンチェス・ピスフアンにちなむ。

歴史

新スタジアムの構想は、会長ラモン・サンチェス・ピスフアンが用地を購入した1937年にさかのぼる。計画が本格化したのは1954年で、クラブが催した設計コンペにより、サンティアゴ・ベルナベウやメスタージャを手がけた建築家マヌエル・ムニョス・モナステリオの案が選ばれた。会長は完成を見ぬまま1956年に没し、その功績をたたえて新スタジアムに彼の名が冠されることになった。軟弱な地盤のため約800本のコンクリート杭を打ち込んだうえで、1956年12月に礎石が据えられ、1958年夏に竣工、同年9月7日にレアル・ハエンとの親善試合で開場した。当初はゴール裏上層が未完成のままで、東西スタンドの拡張により7万人規模となったのは1974〜75年である。1982年のスペインW杯に際しては、メインスタンドの屋根(バイザー)や照明が整備され、ファサードを飾る陶板(アスレホ)の大壁画がサンティアゴ・デル・カンポによって制作された。

建築的特徴

スタジアムは、20世紀半ばのヨーロッパに広く見られた楕円形のボウル形式をとる。四方を囲む観客席は、長辺のトリブーナとプレフェレンシア、両ゴール裏のゴル・ノルテとゴル・スルから成り、いずれも急勾配でピッチに覆いかぶさるように立ち上がる。構造の主体は一体的な鉄筋コンクリートの架構で、堅牢な外観を支える。簡潔な構造によって大きな収容力と良好な視認性を両立させた設計は、戦後スペインのスタジアム建築の典型を示す。1982年に加えられたファサードの陶板壁画は、クラブの歴史と栄光を彩る象徴として、外観に独自の表情を与えている。

意義・現在

サンチェス・ピスフアンは、スペインで最も雰囲気の濃いスタジアムの一つに数えられ、とりわけ欧州の舞台での熱狂で知られる。1982年W杯の準決勝(西ドイツ対フランス)や1986年の欧州チャンピオンズカップ決勝、2022年のヨーロッパリーグ決勝など、数々の重要な試合を迎えてきた。1990年代に全席着席化されて収容は約4万3千人に縮小し、近年も改修が重ねられている。開場から60年余りを経てなお、セビージャFCの本拠地としてアンダルシアのサッカー文化の中心であり続けている。

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データ: Wikidata (Q275429) / 画像: © Niels98 / CC BY-SA 4.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.07.20
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