スペイン・マドリードのサッカースタジアム。1947年に開場し、レアル・マドリードの本拠地として知られる。ムニョス・モナステリオらの設計になり、2024年完成の大改修で可動屋根と新たな外皮をまとった。
§1 — 概要概要
エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ(Estadio Santiago Bernabéu)は、スペインの首都マドリードのチャマルティン地区にあるサッカースタジアムである。1947年の開場以来、レアル・マドリードの本拠地として使われ、欧州でも有数の規模と歴史をもつ競技場として知られる。名称は、選手・会長として同クラブを率いたサンティアゴ・ベルナベウ(1895〜1978)に由来する。2019年から続いた大規模改修が2024年に完成し、可動式の屋根と金属の外皮をまとった現在の姿に生まれ変わった。
歴史
第二次世界大戦下の1940年代初頭、旧チャマルティン競技場は増大する観客を収容しきれなくなっていた。1943年に会長となったベルナベウは、より大きなスタジアムの建設を掲げ、翌1944年に用地を取得した。設計は競技設計(コンペ)によって選ばれ、ルイス・アレマニー・ソレルとマヌエル・ムニョス・モナステリオの案が最優秀に選ばれた。1944年10月に起工し、1947年12月に開場した。以後、観客席の増築や照明・屋根の追加など幾度も改修が重ねられ、収容規模を拡大してきた。21世紀に入ると老朽化と近代化への要請から抜本的な建て替えが計画され、2019年に着工した改修は、ドイツのGMP(フォン・ゲルカン・マルク・アンド・パートナー)やスペインのL35らの設計により、2024年に完成した。
建築的特徴
開場時のスタジアムは、鉄筋コンクリートの観客席を段状に積み上げた当時としては大規模な楕円形の器で、以後の増築で三層・四層へと高さを増していった。2024年に完成した改修では、外周を波打つ金属のルーバーで覆い、開閉式の屋根とピッチを地下へ収納できる可動床、外周を巡る歩廊などが加えられた。これにより、サッカー以外の催事にも対応する多目的空間へと性格を変えている。歴史ある観客席の勾配を生かしつつ、新たな外皮で全体を包み込む手法は、既存スタジアムの大規模改修の一例として注目される。
意義・現在
ベルナベウは、単なる競技場を超えて、都市の記念碑的な存在としてマドリードの街並みに組み込まれている。1947年の開場から現在まで、増改築を重ねながら使われ続けてきた点は、20世紀のスポーツ建築が都市とともに成長してきた歩みを示している。2024年の改修後は、可動屋根と外皮による現代的な意匠が加わり、旧来の姿を知る人々の間で評価が分かれつつも、都市のランドマークとしての役割を保っている。