ロイヤル・オペラ・ハウス Royal Opera House
ロンドン中心部コヴェント・ガーデンにある歌劇場。現在の建物は度重なる火災を経て1858年に再建された3代目で、英国を代表するオペラとバレエの殿堂である。
§1 — 概要概要
ロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)は、ロンドン中心部コヴェント・ガーデンに建つ歌劇場である。ロイヤル・オペラとロイヤル・バレエの本拠地であり、しばしば地名から単に「コヴェント・ガーデン」とも呼ばれる。現在の堂々たる古典主義の建物は、同じ敷地に建った劇場としては3代目にあたる。
歴史
最初の劇場「シアター・ロイヤル」は1732年に開場し、当初は主に演劇の舞台であった。まもなくヘンデルのオペラやオラトリオがここで初演され、音楽の劇場としての性格を強めていく。この初代は1808年の火災で失われ、翌1809年にロバート・スマークの設計で再建されたが、その2代目も1856年に焼失した。現在の建物はエドワード・ミドルトン・バリーの設計により、1857年に着工して1858年に開場したものである。ファサード・ホワイエ・観客席はこの1858年の姿を伝えるが、舞台機構をはじめ複合施設の大半は1990年代の大規模改修で刷新された。
建築的特徴
正面はコリント式のポルティコを構えた端正な古典主義の構成で、ヴィクトリア朝の歴史主義建築を代表する。内部の観客席は、桟敷席とバルコニーを四層に積み上げた馬蹄形の平面をとり、舞台を囲んで視線と声を集める伝統的なオペラ劇場の形式に従う。約2,250席を擁する大空間で、舞台を額縁のように切り取るプロセニアムの開口は幅およそ14.8メートルに及ぶ。隣接するフローラル・ホールなど鉄とガラスの空間も取り込み、19世紀の劇場建築と現代の設備とを接ぎ合わせている。
意義・現在
ロイヤル・オペラ・ハウスは、火災と再建を繰り返しながら18世紀以来同じ場所で舞台芸術を担い続けてきた、ロンドンの文化的中核である。バリーによる観客席はその歴史的価値からグレードⅠの指定を受けている。1990年代の改修で稽古場・舞台裏・公共空間が一新され、歴史的な客席を保ちつつ現代の上演に応える劇場として再生した。2024年には運営組織が「ロイヤル・バレエ・アンド・オペラ」へと改称されたが、建物は今日もロイヤル・オペラ・ハウスの名を保っている。