サバルマティ・アーシュラム Sabarmati Ashram
インド、アフマダーバードのサバルマティ川のほとりにあるガンディーのアーシュラム。1917年に開かれ、ガンディーは1930年までここに暮らした。「塩の行進」が始まった独立運動の拠点であり、敷地にはチャールズ・コレア設計のガンディー記念博物館(1963年)が建つ。
§1 — 概要概要
インド西部、グジャラート州アフマダーバードのサバルマティ川のほとりに広がる、マハトマ・ガンディーのアーシュラム(道場)である。1917年から1930年まで、ガンディーが暮らし、思索と実践を重ねた場であり、インド独立運動の重要な拠点となった。質素な住居が点在する敷地には、のちに建築家チャールズ・コレアの設計による記念博物館が加えられた。
歴史
ガンディーは1915年、南アフリカから帰国してまもなく、アフマダーバードにコチュラブ・アーシュラムを開いた。1917年、活動の場をサバルマティ川のほとりに移し、ここがサバルマティ・アーシュラムとなる。当初は「サティヤーグラハ(真理の把持)・アーシュラム」とも呼ばれ、非暴力・不服従の運動の中心となった。
ガンディーはここで、糸車(チャルカー)による手紡ぎや農作業、読み書きの教育を通じて、自立(スワデーシー)の思想を育てた。そして1930年3月12日、イギリスの塩税法に抗議するため、この地から「塩の行進」(ダンディー行進)に出発した。ガンディーは、インドが独立するまでアーシュラムには戻らないと誓い、その通り二度と帰ることはなかった。政府に接収されたのち、地元の人々の手で保存され、今日では国の記念施設となっている。
建築的特徴
敷地には、ガンディーが起居した「フリダヤ・クンジ」など、簡素な住まいが残る。建築として名高いのは、独立後に加えられたガンディー記念博物館(ガンディー・スマラク・サングラハラヤ)である。チャールズ・コレアの若き日の代表作で、6メートル四方の単位を村のように連ね、瓦屋根・煉瓦の柱・石の床・木の格子で構成される。ガラスを用いず、開け放たれた回廊と水庭が、ガンディーの質素さと、増殖し広がりゆく共同体の精神を、近代建築の言葉で表している。1963年、首相ネルーによって開館した。
意義・現在
サバルマティ・アーシュラムは、一個の記念碑であるよりも、ガンディーの思想が生まれ、世界へと広がっていった「場」そのものとして大きな意味をもつ。ここで育まれた非暴力の理念は、後世の数多くの社会運動に影響を与えた。年に七十万人もの人々が訪れる、インド近代史の聖地の一つである。
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