アルメニア南部、アララト山を望む平原に建つ修道院。聖グリゴル・ルサヴォリチが…
アルメニアの首都エレバンに立つ、アルメニア使徒教会で最大の大聖堂。キリスト教の国教化1700周年を記念して1997年に着工し、2001年に成聖された、古典的なアルメニア建築を現代に翻案した聖堂である。
§1 — 概要聖グレゴリオス啓蒙者大聖堂(Saint Gregory the Illuminator Cathedral、開明者聖グレゴリオスにちなむ)は、アルメニアの首都エレバンの中心部ケントロン地区、ティグラン・メツ大通りに面して立つ大聖堂である。アルメニア使徒教会で最大の聖堂であり、トビリシのサメバ大聖堂と並んで南カフカス有数の規模をもつ宗教建築として、市内各所から望むことができる。主聖堂と二つの礼拝堂からなる大規模な複合体である。
聖堂は全アルメニア・カトリコス(最高位聖職者)ヴァズゲン1世の発意によって計画された。1997年4月7日、カトリコスのカレキン1世による土地の祝別をもって工事が始まり、2001年に完成した。同年9月23日、カレキン2世の手で成聖式が執り行われている。この年は、アルメニアが301年に世界で最初にキリスト教を国教としてから1700年にあたり、聖堂はその記念碑として建てられた。献堂の直後にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が訪れている。聖堂の名の由来である啓蒙者聖グレゴリオスの聖遺物は、2000年にナポリのサン・グレゴリオ・アルメーノ教会からもたらされ、ここに納められた。
複合体は、1700席をもつ主聖堂と、キリスト教を受け入れた王トルダトと王妃アシュヘンにそれぞれ捧げられた二つの礼拝堂(各150席)、そして鐘塔・前廊・中庭から構成される。地上から十字架の頂までの高さは54メートルに達する。設計者ステパン・クルクチャンは、円錐形の屋根や石積みといった中世以来のアルメニア教会建築の語彙を踏まえつつ、それを大規模で簡潔な現代の造形へと翻案した。装飾を抑えた重厚な構成は、中世の小規模な聖堂とは異なる、20世紀末ならではの記念碑性を備えている。
ソ連解体後のアルメニアにおける宗教の復興を象徴する建築であり、国教化1700周年という国民的な記念事業の中心に据えられた。古いアルメニア建築の伝統と現代の規模・技術を結びつけた試みとして注目され、主要な祝祭日には全アルメニア・カトリコスによる荘厳な典礼が営まれる、同国を代表する聖堂となっている。
アルメニア南部、アララト山を望む平原に建つ修道院。聖グリゴル・ルサヴォリチが…