EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

アルメニア建築

Armenian architecture
年代
301 — 1300
地域
アルメニア・南コーカサス
時代
中世

アルメニア建築は、南コーカサスのアルメニア人が育んだ建築の伝統であり、とりわけ301年のキリスト教国教化以降に展開した石造の教会堂建築を中心とする。火山岩である凝灰岩(トゥフ)を切石として精緻に積み、外壁を緻密な彫刻で飾る点に大きな特色がある。平面では集中式を好み、正方形の身廊に十字形の空間を内接させ、その交差部にドラム(鼓胴)を立ててドームを架ける構成が早くから発達した。7世紀のズヴァルトノツやアルメニア各地の教会群でその原型が整い、9世紀から11世紀のバグラトゥニ朝のもとで黄金期を迎える。首都アニの大聖堂や諸聖堂は、その到達点を示すものである。形態の語彙としては、外壁を覆う細い付柱と盲アーケード、深い三角形の壁龕(ニッチ)、円錐形の屋根をいただくドームなどが、地域を越えて広く共有された。アニの大聖堂に見られる尖頭アーチや束ね柱は、ヨーロッパのゴシック建築に先立つ要素としてしばしば注目される。隣接するビザンティン建築やジョージア(グルジア)建築と影響を交わしながらも、簡潔で力強い量塊と硬質な石の彫りによって、独自の表情を保ち続けた。13世紀以降、政治的な動乱のなかで大規模な造営は減っていくが、その様式は各地の修道院建築や、離散したアルメニア人が築いた聖堂へと受け継がれ、近代のアルメニア建築にも参照され続けている。

アルメニア建築
§1

代表建築

Buildings