米国ユタ州ソルトレイクシティに建つ、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)最大の神殿。1853年に着工し40年をかけて1893年に献堂された。花崗岩状の石材を積んだ城郭風のゴシック・リヴァイヴァル建築で、六本の尖塔をいただく。
§1 — 概要概要
ソルトレーク神殿は、米国ユタ州ソルトレイクシティのテンプル・スクエアに建つ、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の神殿である。床面積で同教会最大の神殿であり、城郭を思わせる重厚な石造と六本の尖塔によって、テンプル・スクエアの中心を成し、市の象徴的な存在となっている。
歴史
1847年にソルトレーク渓谷へ入った教会指導者ブリガム・ヤングが建設地を定め、1853年に礎石が据えられた。設計は教会建築家トルーマン・O・エンジェルが担い、ヤングの構想を反映した。建設は40年に及び、1893年に献堂された。外壁の石材には、約32キロ南東のリトル・コットンウッド峡谷から切り出された花崗岩状の石英モンゾ岩が用いられ、初期は牛車で、1869年の大陸横断鉄道の開通後は鉄道で運ばれた。
建築的特徴
様式は城郭風のゴシック・リヴァイヴァルを基調とし、ロマネスクの要素も交える。東西の妻に三本ずつ、計六本の尖塔が立ち、東側の塔は西側よりやや高い。最も高い東中央の尖塔の頂には、ラッパを吹く天使モロナイ像が掲げられ、その台座までの高さは約64メートルに及ぶ。壁は基部で約2.7メートルと厚く、上方へ向かうにつれて薄くなる。建物はエルサレムの方角に向けられ、十二頭の牛が支える洗礼盤など、旧約のソロモン神殿を想起させる意匠が随所に見られる。
意義・現在
信者にとって神殿は神聖な場であり、内部の儀式に与れるのは資格を得た信者に限られるため、一般の内部見学は行われない。境内は公開され、年間を通じて多くの来訪者を迎える。2020年にユタ州を襲った地震では、尖塔上のモロナイ像が手にするラッパが落ちるなどの被害を受けた。2019年からは大規模な耐震改修のため閉鎖されており、地震の揺れを和らげる免震基礎が新たに設けられている。改修後は2027年に一般公開を経て、再び奉献される予定である。