サン・カルロ・アル・コルソ聖堂 San Carlo al Corso
ローマ、コルソ通りに面するロンバルディア人の国民教会。1612年にオノリオ・ロンギが着工し、ピエトロ・ダ・コルトーナの大ドームを戴く、ローマの空に映える17世紀バロックの大聖堂である。
§1 — 概要概要
サン・カルロ・アル・コルソ(伊: San Carlo al Corso、正式名称 Basilica dei Santi Ambrogio e Carlo al Corso)は、ローマのコルソ通りに面して建つバロックの聖堂である。ミラノの守護聖人である聖アンブロジウスと聖カルロ・ボロメオに捧げられ、ローマに住むロンバルディア(ミラノ)出身者の国民教会として知られる。ローマの空に大きく映える円蓋(ドーム)を戴き、市の景観の一要素をなしている。
歴史
1610年の聖カルロ・ボロメオの列聖を機に、より大きな聖堂を建てる計画が起こった。1612年1月29日、旧サン・ニコラ聖堂の北側で礎石が据えられ、オノリオ・ロンギ(Onorio Longhi)の指揮で建設が始まった。これはロンギの唯一のローマでの仕事であったが、彼は1619年、完成を見ずに世を去る。事業は子のマルティーノ・ロンギ(Martino Longhi the Younger)に引き継がれ、内部の設計が進められた。のちピエトロ・ダ・コルトーナ(Pietro da Cortona)が委嘱を受け、1668年に大ドームと後陣を築いた。資金難で工事は長引き、ファサードがジャン・バッティスタ・メニクッチらの手で完成したのは1684年、着工から70年余りを経てのことであった。
建築的特徴
平面はラテン十字を基本とする。最大の見どころはコルトーナによる大ドームで、窓を多く穿った高い円筒(ドラム)の上に架かり、ローマでも有数の壮麗さをもつ。内陣の背後をめぐる周歩廊(アンブラトリウム)は、ミラノ大聖堂を想わせる北イタリア由来の要素で、ローマの聖堂では稀な構成である。身廊の天井にはジャチント・ブランディによる『反逆天使の墜落』のフレスコが描かれ、ドームの下にはコルトーナの構想による華麗な漆喰装飾が広がる。内部は金箔の漆喰と多色大理石で重厚に飾られている。
意義・現在
サン・カルロ・アル・コルソは、ロンギ父子からコルトーナへと受け継がれた、ローマ・バロックの円熟を示す大聖堂である。とりわけコルトーナの後期を代表するドームと後陣は、彼の建築家としての力量を伝える。北イタリアの周歩廊をローマの聖堂建築に持ち込んだ点でも建築史的に注目される。聖カルロ・ボロメオの心臓を納めた聖遺物が安置され、ミラノとローマを結ぶ信仰の場であり続けている。1929年に小バシリカの位を与えられ、現在も礼拝と演奏会に用いられている。
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