EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
サンタ・マリア・イン・ヴィア・ラータ聖堂
© Carlomorino / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q846559

サンタ・マリア・イン・ヴィア・ラータ聖堂 Santa Maria in Via Lata

Basilica di Santa Maria in Via Lata

ローマ、コルソ通りに面する聖堂。古代ローマの倉庫跡に建つ初期キリスト教以来の重層的な堂で、ピエトロ・ダ・コルトーナによる凱旋門めいたバロックの正面で知られる。

FIG. 02 — Location41.8982° N 12.4813° E
イタリア ラツィオ州 ローマ
§1 — 概要

概要

サンタ・マリア・イン・ヴィア・ラータ聖堂(Basilica di Santa Maria in Via Lata)は、ローマの目抜き通りであるコルソ通り(古代のヴィア・ラータ)に面して建つ聖堂である。古代ローマの巨大な倉庫の遺構の上に、初期キリスト教時代から幾度も建て替えられてきた重層的な建築であり、なかでもピエトロ・ダ・コルトーナが手がけた正面(ファサード)は、ローマ・バロックを代表する作品の一つに数えられる。

歴史

建物の最下層には、全長250メートルにも及んだとされる古代ローマの倉庫の遺構が眠る。ここに5世紀には早くもキリスト教の礼拝堂(ディアコニア=救貧施設を兼ねた礼拝所)が設けられ、たびたびのテヴェレ川の氾濫を経て、1049年に上層を加えて再建された。15世紀末にはファサードがコルソ通り側へ移されている。17世紀に入って大規模な改修が行われ、内部はナポリ・バロックの巨匠コジモ・ファンツァーゴが1647年から手がけた。政治的事件によりナポリを追われ、ローマに身を寄せていた時期の仕事である。続いて1658年から1662年にかけて、教皇アレクサンデル7世の命を受けたピエトロ・ダ・コルトーナが新しいファサードを設計した。鐘楼はそれ以前の1580年、マルティーノ・ロンギ(父)が手がけたものである。

建築的特徴

コルトーナのファサードは、トラヴァーチン(石灰華)で造られた二層構成をとる。各層の中央に独立した円柱の列柱廊(ポルティコ)とロッジアを置き、曲面を多用する他のバロック・ファサードとは対照的に、平面的な構えのうちに古代の凱旋門を思わせるセルリアーナ(中央を高くした三連の開口)を浮かび上がらせる。下層には四本の壮麗なコリント式円柱が立ち、上へ向かって垂直の強調が積み上げられる。一方、ファンツァーゴによる内部は、身廊を仕切る古代のチポリーノ大理石の円柱をシチリア産の碧玉(ディアスプロ)で覆うなど、色大理石と金による華麗な装飾で満たされ、簡素な白基調のファサードと鮮やかな対照をなす。

意義・現在

重層する歴史の各層を一つの建物のうちに留める点で、この聖堂はローマという都市の縮図でもある。コルトーナのファサードは、古典の語彙を端正にまとめ上げた都市建築の手本として、後のローマの聖堂正面に影響を与えた。地下には聖パウロの幽閉伝承と結びつく古い祈祷空間が遺り、現在もコルソ通りを行き交う人々に開かれた現役の聖堂として用いられている。イタリアの国定文化財に登録されている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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