スコシアプラザ Scotia Plaza
カナダ・トロントの金融街に建つ高さ275mの超高層ビル。スコシアバンクの本社として1988年に竣工し、赤い花崗岩の外装と歴史的な銀行建築を取り込んだ構成で知られる。
§1 — 概要概要
スコシアプラザ(Scotia Plaza)は、カナダ・トロントの金融街に建つ高さ275メートル、地上68階の超高層オフィスビルである。カナダ第3位の高さを誇り、地下歩行者網PATHに直結する。カナダの大手銀行スコシアバンク(ノヴァスコシア銀行)の本社として建設された。
歴史
開発はオリンピア・アンド・ヨーク社が手がけ、設計はトロントを拠点とするWZMHアーキテクツが担った。塔の建設は1985年から1988年にかけて行われ、掘削は地下33.5メートルに達して当時カナダ史上最深を記録した。隣接していた1951年竣工のボザール様式の旧ノヴァスコシア銀行本店(マザーズ・アンド・ホールデンビー設計)を保存・統合し、両者をガラス屋根のアトリウムで結ぶ構成が採られている。所有は開発会社の破綻を経てスコシアバンクへ移り、2012年に不動産投資信託へ売却された。
建築的特徴
平行四辺形の平面をもつ塔身は、スウェーデン産の赤い花崗岩「レッド・ナポレオン」を張ったカーテンウォールで覆われ、独特の色調をもつ。頂部は段状に後退し、銅板の屋根を戴く。低層部には歴史主義的なボザール様式の旧銀行建築を組み込み、14階分の吹き抜けアトリウムで新旧を接続する。アトリウム内には新旧の意匠を融合した銀行ホールが設けられ、保存と高層開発を一体化させたこの手法は、ポストモダン期の都市再開発を象徴する。
意義・現在
スコシアプラザは、歴史的建築の保存と超高層開発を両立させた1980年代カナダの代表的なプロジェクトである。スコシアバンクは2022年に本社機能を別の新棟へ移したが、現在も主要な拠点として広い面積を使用し続けている。トロントのスカイラインを形づくる主要な構成要素の一つである。