シチョールコフスカヤ駅 Shchyolkovskaya
モスクワ地下鉄アルバーツコ・ポクロフスカヤ線の東の終着駅。1963年開業。規格化された三スパンの柱式駅で、ソロコノーシカと呼ばれる量産型ホームの初期の一例である。
§1 — 概要概要
シチョールコフスカヤ駅(Shchyolkovskaya)は、モスクワ地下鉄アルバーツコ・ポクロフスカヤ線(紺色線)の東の終着駅である。1963年に開業した。駅名は近くを走るシチョールコヴォ街道に由来する。設計はイヴァン・タラノフとナジェージダ・ブイコワの夫妻が担当した。
歴史
本駅は、1955年以降の脱スターリン化のもとで標準設計が普及してゆく時期に築かれた。隣接して長距離バスの発着拠点(モスクワ中央バスターミナル)が置かれたため、開業以来きわめて利用者が多い駅として知られる。路線の東端にあって、市の東部に広がる住宅地と都心とを結ぶ役割を担う。1960年代から1990年代にかけて旧ソ連各地で量産された規格型ホームの、比較的早い段階の作例にあたり、以後この設計はモスクワ地下鉄の各所で繰り返し用いられることになった。
建築的特徴
地表から約8メートルの浅い位置に、開削工法で築かれた規格型の三スパン柱式駅(ソロコノーシカ)である。中央通路の両側に2列の柱が並ぶ三スパン構成で、柱には濃い緑色の大理石が張られている。壁面は当初、黄と黒のセラミックタイルで仕上げられていたが、2002年に金属とプラスチックの複合板による新しい被覆へ改められ、より簡潔な印象となった。林立する柱が空間を等間隔に区切る構成は、この時期のモスクワ地下鉄に共通する特徴である。
意義・現在
華美な意匠を避け、標準化された部材で短期間・低費用に築くという、脱スターリン化以降のソビエト地下鉄建築の方針を体現する駅である。装飾よりも輸送の効率を優先したこの世代の駅は、地下鉄を国家の威信の表現から日常の社会基盤へと位置づけ直す転換を映している。現在も路線の終着駅として機能している。