EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
スカイロン・タワー
© Ingelbert Lievaart II / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q1208032

スカイロン・タワー Skylon Tower

カナダ、ナイアガラフォールズに建つ展望塔。1964年に着工し、シアトルのスペース・ニードルに着想を得てブレグマン+ハーマンが設計した、高さ160mの鉄筋コンクリート塔。回転展望レストランと外付けエレベーターで知られる。

FIG. 02 — Location43.0853° N 79.0797° W
カナダ オンタリオ州 ナイアガラフォールズ
§1 — 概要

概要

スカイロン・タワー(Skylon Tower)は、カナダ・オンタリオ州ナイアガラフォールズに建つ高さ160メートルの展望塔である。1964年から1965年にかけて建設され、滝を見下ろす崖の上に立つ。トロントの設計事務所ブレグマン+ハーマン(Bregman + Hamann、現B+H Architects)が、シアトルのスペース・ニードルに着想を得て設計した。先端の球状部に展望台と回転レストランを備え、外壁を駆け上がる「イエロー・バグ」と呼ばれる外付けエレベーターとともに、ナイアガラを代表する観光のランドマークとなっている。

歴史

塔は、ナイアガラ・インターナショナル・センターという民間の共同事業として計画された。建設は1964年5月に始まり、ハミルトンのピゴット建設が施工を担った。1965年10月6日、ニューヨーク州知事ネルソン・ロックフェラーとオンタリオ州首相ジョン・ロバーツを迎えて正式に開業した。工期はわずか17か月で、開業時には同種の鉄筋コンクリート構造物として世界一の高さを誇った。1975年にはレストランを運営していたカナディアン・パシフィック・ホテルズが塔全体を買収し、その後も所有者を変えながら現在に至る。

建築的特徴

塔身は、上方へ向かってすぼまる鉄筋コンクリート製の中空シャフトで、コンクリートを連続して流し込む「スリップフォーム工法」によって築かれた。型枠を少しずつ上昇させながら昼夜を通して打設する手法で、当時のカナダにおける先駆的な応用例のひとつであり、同じ工法はのちにトロントのCNタワーにも用いられた。完成にあたって最大の難所となったのは、頂部の球状ドームの構築と設置であった。地上160メートル(滝の底からは236メートル)という高さは国境にも近く、建設には米加両国の航空当局の承認を要した。外壁には3基の「イエロー・バグ」と呼ばれるガラス張りの外付けエレベーターが取り付けられ、約52秒で頂部に達する。これはカナダで初めての方式であった。頂部のドームは、シャトー・フロンテナックなどにも通じる緑青色の銅板で葺かれている。

意義・現在

頂部には、1時間で一周する回転レストラン「リボルビング・ダイニングルーム」と展望台が設けられ、ナイアガラの滝とその一帯を一望できる。完成から半世紀を経た現在も、塔とその基部の複合施設は1960〜70年代の面影を色濃く残したまま、ナイアガラフォールズを象徴する建造物として観光客を集めている。スペース・ニードルに端を発するミッドセンチュリーの展望塔の系譜を、北米で受け継いだ一例といえる。

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LAST EDIT — 2026.06.22
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