スミソニアン・アメリカ美術館 Smithsonian American Art Museum
ワシントンD.C.の旧特許庁ビルに入る、アメリカ美術の国立美術館。建物は1836年から1868年にかけて、ロバート・ミルズらの設計で建てられた、アメリカを代表するギリシア・リヴァイヴァルの公共建築である。1968年から美術館として用いられている。
§1 — 概要概要
アメリカの首都ワシントンD.C.の中心部に建つ、アメリカ美術を専門とする国立美術館である。アメリカ合衆国の連邦による美術コレクションを母体とし、その歴史は19世紀にさかのぼる。美術館が入る建物は、旧特許庁ビルとして知られる、アメリカ屈指のギリシア・リヴァイヴァル建築である。同じ建物には、国立肖像画美術館も同居している。
歴史
建物は、もともとアメリカ合衆国特許庁の庁舎として計画された。アテネのパルテノンに範をとった設計のもと、1836年に着工し、南翼から順に建て継がれた。南北戦争による中断などを経て、着工から約30年を経た1868年に完成し、当時アメリカ最大の建物となった。建設は、公共建築の建築家ロバート・ミルズが指揮し、1851年からはトマス・U・ウォルターが引き継いだ。
特許庁が1932年に去ったのち、建物は一時取り壊しの危機にさらされたが、保存運動を受けて1958年にスミソニアン協会へと移管された。改修を経て1968年、ここにアメリカ美術館と国立肖像画美術館が開館した。2000年代には大規模な修復が行われ、中庭にはガラスの大屋根が架けられた。
建築的特徴
四つの翼が中庭を囲む方形の構成をもち、外観は左右対称の厳格なギリシア・リヴァイヴァルである。正面には、アテネのパルテノンの比例に倣った、八本の列柱が並ぶ堂々たる玄関(ポルティコ)がそびえる。内部では、木材を用いず煉瓦の組積によるヴォールト天井で防火をはかり、湾曲した二重の階段や、天窓から光の差す広間がつくられた。詩人ホイットマンはこれを「ワシントンで最も気高い建物」と讃えた。
意義・現在
旧特許庁ビルは、ホワイトハウスと連邦議会議事堂に次いで古い、ワシントンの連邦建築である。「役に立つ技術の殿堂」として発明を展示し、南北戦争中には野戦病院ともなり、リンカーンの就任舞踏会の舞台ともなった——アメリカの歩みを見つめてきた建物である。今日では、その荘厳な空間がアメリカ美術のコレクションを迎え、年に多くの人々が訪れている。
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