EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
スタジアム・ミュニシパル
© Luc-Éric Manneville / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q738044

スタジアム・ミュニシパル Stadium Municipal

Stadium Municipal

トゥールーズ中心部、ガロンヌ川のラミエ島に建つ多目的競技場。市の主任建築家ジャン・モンタリオルが1930年代の公共事業として設計し、鉄筋コンクリートのスタンドにアール・デコの趣を残す。

FIG. 02 — Location43.5833° N 1.4341° E
フランス オクシタニー トゥールーズ
§1 — 概要

概要

スタジアム・ミュニシパル(Stadium Municipal、現スタジアム・ド・トゥールーズ)は、フランス南部トゥールーズの中心部、ガロンヌ川に浮かぶラミエ島に建つ多目的競技場である。市の主任建築家ジャン・モンタリオルが手がけた1930年代トゥールーズの公共建築を代表する一つで、陸上トラックを持たないサッカー・ラグビー専用の観客席配置をとる。現在はサッカーのトゥールーズFC、ラグビーのスタッド・トゥールーザンが本拠の一つとして用いている。

歴史

建設は1936年に着工し、翌1937年に完成した。1938年のサッカー・ワールドカップ開催を見据えた整備であったが、大会時にはなお工事が続いており、トゥールーズでの試合は別の競技場で行われた。モンタリオルは1929年から1949年までトゥールーズ市の主任建築家を務め、当時の社会党系市政が進めた公共事業の一環として、屋内プールや学校とともに本競技場を設計している。竣工後も1949年と1997年に大規模な改修を受け、収容人数や設備を更新してきた。1998年のワールドカップでは会場の一つとして複数の試合を担った。

建築的特徴

構造の主体は、当時なお新しい技術であった鉄筋コンクリートである。観客席を覆う庇は、柱を前面に立てないカンチレバーとして張り出し、視界を妨げない観戦空間を生んでいる。直線を基調としたスタンドの構成と簡潔な装飾は、1930年代フランスの市庁舎建築に通じるアール・デコの趣を残す。陸上競技用のトラックを設けず、ピッチへ観客席を近づけた設計は、球技専用競技場としての臨場感を重んじたものである。

意義・現在

モンタリオルが残した戦間期トゥールーズの公共建築群のなかでも、本競技場は市民のスポーツ文化を支える施設として長く使われ続けてきた。度重なる改修を経てなお当初の骨格を保ち、収容約3万3千人の規模でサッカーとラグビーの双方を受け入れている。フランス地方都市の近代建築と、スポーツを通じた都市の歩みを今に伝える存在である。

関連する建築

Related
同じ国
構造表現主義 エッフェル塔
1889 · パリ
エッフェル塔
Stéphen Sauvestre

エッフェル塔(tour Eiffel)は、パリ七区のシャン・ド・マルスに立つ高さ約330メ…

データ: Wikidata (Q738044) / 画像: © Luc-Éric Manneville / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.30
ENTRY ID — BLD-0795