シアター・ロイヤル・ドルリー・レーン The Theatre Royal
ロンドン中心部コヴェント・ガーデンにある劇場。1663年以来、同じ敷地に4代の劇場が建ち続けたロンドン最古の現役劇場で、現在の建物は1812年にベンジャミン・ディーン・ワイアットが設計した新古典主義建築である。
§1 — 概要概要
シアター・ロイヤル・ドルリー・レーン(Theatre Royal, Drury Lane)は、ロンドン中心部コヴェント・ガーデンに位置するウェスト・エンドの劇場で、第一級指定建造物に登録されている。建物はキャサリン・ストリートに正面を向け、背面はドルリー・レーンに接する。1663年に最初の劇場が開かれて以来、同じ敷地に劇場が建ち続けており、ロンドンで最も古い現役の劇場用地である。現在の建物は4代目にあたり、1812年に開場した。
歴史
この地に最初の劇場が建ったのは王政復古期の1663年で、興行家トマス・キリグルーの一座が「ブリッジズ・ストリートのシアター・ロイヤル」を開いた。設計者不詳のこの木造劇場は火災で失われ、2代目(1674年)はクリストファー・レンの設計とされる。名優デイヴィッド・ギャリックが活躍したのはこのレンの劇場であった。手狭になったため1791年に取り壊され、ヘンリー・ホランドによる3代目(1794年開場)が建てられたが、これも1809年に焼失する。現在の4代目は、サミュエル・ホイットブレッドらの尽力により再建が進み、1811年10月に礎石が据えられ、翌1812年10月10日に『ハムレット』の上演で開場した。設計者はベンジャミン・ディーン・ワイアットである。
建築的特徴
ワイアットによる劇場は、古代ギリシアに範をとるネオ・グレシアン(新古典主義)の様式で構想された。玄関を入ると中央のロタンダ(円形広間)が上階まで吹き抜け、その両側に左右対称の大階段が二階のロイヤル・サークルとグランド・サルーンへと導く。正面キャサリン・ストリート側に立つポルティコは1820年に、ラッセル・ストリート側の列柱廊は1831年にサミュエル・ビーズリーの設計で付加された。客席は1922年に全面的に改築されたが、ワイアットが設計した玄関広間の一連の空間は今日まで建物の見どころとして残る。
意義・現在
ドルリー・レーンは長くロンドンの「公認劇場(パテント・シアター)」の一つとして、台詞劇の上演を独占的に許された数少ない劇場であった。19世紀以降はスペクタクル性の高い演目で知られ、第二次世界大戦後は『オクラホマ!』『マイ・フェア・レディ』『ミス・サイゴン』などの長期上演ミュージカルの本拠地となった。現在は作曲家アンドルー・ロイド・ウェバーが所有し、2019年から2021年にかけて大規模な改修を経て再開している。