天津市和平区、海河沿いに建つ高さ336.9メートルの超高層ビル。設計はSOM、2011年竣工で、津塔(ジンタ)の愛称を持つ。鋼板耐震壁を用いた軽量な構造と、帆を思わせる曲面が特徴。
§1 — 概要概要
天津環球金融中心(Tianjin World Financial Center、中国語: 津塔)は、中華人民共和国天津市和平区の海河(かいが)河畔に建つ超高層ビルである。オフィス棟「津塔(ジンタ)」を主塔とする複合施設で、塔の高さは336.9メートル、地上74階・地下4階を数える。2010年から2015年まで、中国・華北地方で最も高い建物であった。
歴史
設計はアメリカの設計事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)が手がけ、施工図など現地の設計は華東建築設計研究院(ECADI)が担当した。2007年2月に着工し、約17か月の主体工事を経て、2010年1月14日に構造体が最高部へ達した(封頂)。2011年に開業し、解放北路の金融街を見下ろす天津の新たな商業中心の象徴となった。海抜308メートルには展望ラウンジが設けられている。
建築的特徴
塔は中ほどがわずかに膨らみ、上下に向かってすぼまる優美な曲面のシルエットを持ち、海に船出する帆になぞらえられる。立面には中国の伝統的な折り紙から着想した割付が用いられ、時刻や日照によって表情を変える。構造面では、鋼板耐震壁を主たる耐震要素として採用した点に特色がある。これは大型の鋼板を柱の間に溶接して水平力に抵抗させるもので、造船業が盛んな天津の鋼板加工技術を生かし、従来の鉄骨造に比べて2〜3割の鋼材を節約したとされる。高い細長比をもつ超高層を、強風の多い地域で成立させるための解であった。
意義・現在
津塔は、急速に高層化が進んだ2000年代の中国を代表する一例であり、純粋なオフィス機能に特化した超高層として、海河沿いの新たな業務地区を立ち上げる核となった。塔の足元には海河に開かれた公開の庭が広がり、川沿いの遊歩道を延伸する都市デザインの一部を成している。最上部の展望施設からは天津の街並みを一望できる。