ペメックスタワー Torre Ejecutiva Pemex
メキシコシティの国営石油会社ペメックスの本社超高層ビル。1984年竣工、高さ約211メートル。インターナショナル・スタイルの塔で、高い耐震性能で知られる。
§1 — 概要概要
ペメックスタワー(スペイン語 Torre Ejecutiva Pemex)は、メキシコの首都メキシコシティに立つ高さ約211メートル・五十一階のオフィス超高層ビルである。国営石油会社ペメックス(メキシコ石油公社)の本社として用いられ、インターナショナル・スタイルの直方体の塔として知られる。竣工から約二十年にわたり、メキシコおよびラテンアメリカで最も高い建築物であった。
歴史
1970年代の石油ブームで事務空間の拡張が必要となり、ペメックスは既存の低層棟に代えて単一の高層塔を建てることを決めた。設計は建築家ペドロ・モクテスマ・ディアス・インファンテが1976年に手がけ、建設は1979年から1984年にかけて行われた。沼沢を埋め立てた軟弱な地盤に対応するため、深さ三十数メートルまで打ち込んだ百六十四本の杭で建物を支持している。塔は完成したが、周囲に計画された広場は未完に終わった。
建築的特徴
鉄骨を主体とする構造で、X字状のブレースを組み込み、地震時の揺れを抑える九十基ほどの制振装置を備える。外装はアルミと反射ガラスのカーテンウォールとし、日射を和らげる。リヒター・スケールで八・五の地震に耐える設計とされ、1985年9月19日にメキシコシティを襲ったマグニチュード八・一の大地震でも被害を免れた。メキシコ初の「インテリジェントビル」とも称される先進的な設備を備えていた。
意義・現在
本塔は、2003年に近隣のトーレ・マヨールが完成するまでメキシコ最高層の座を保ち、首都のスカイラインを代表する存在であり続けた。設計者モクテスマは国家建築賞を受けたメキシコ近代建築の重要人物で、原子力センターや公共建築など、技術的革新を伴う作品を多く残した。2013年1月には隣接棟との連絡部で爆発事故が起き、多数の死傷者を出したが、塔自体は使用が続けられ、現在もペメックスの拠点として機能している。