ベロドローム・ド・サン=カンタン=アン=イヴリーヌ Vélodrome de Saint-Quentin-en-Yvelines
パリ近郊モンティニー=ル=ブルトンヌーに建つ国立自転車競技場。2014年開場。ラルフ・シューマンが設計した一周250メートルの木製走路をもち、2024年パリ五輪のトラック競技会場となった。
§1 — 概要概要
ベロドローム・ド・サン=カンタン=アン=イヴリーヌ(通称ヴェロドローム・ナショナル)は、パリ南西郊のモンティニー=ル=ブルトンヌーに建つ国立自転車競技場である。2014年に開場し、フランス自転車競技連盟の本部を擁する同国のトラック競技の中核拠点となっている。2024年のパリ五輪では自転車トラック競技の会場を務めた。
歴史
施設は、2012年夏季五輪を目指したパリの招致計画の一環として構想された。招致は実現しなかったが計画は維持され、2009年に建設が正式に決定する。2011年から12年にかけて工事が始まり、走路は2013年夏に敷設され、2014年1月に開場した。設計監理はフランスの設計事務所シャバンヌ・エ・パルトネールが担い、競技の核となる走路は、自転車競技場を専門とする一族の出身であるドイツの建築家ラルフ・シューマンが手がけた。
建築的特徴
建物全体が、楕円形の走路に沿った半地下の巨大な殻状(シェル)のかたちをとり、銅色の外装によって遠くからも視認できるよう意図されている。屋根は、中央に支柱をもたない大きな架構の丸天井で覆われる。一周250メートルの走路はシベリア産の松を張った集成材製で、幅が約8メートルと一般的な走路より広く、一定の半径で連続する急なバンクと相まって、時速80キロを超える高速走行を可能にする。
意義・現在
本施設は、長くフランスに欠けていた国際規格のトラック競技場を実現し、同国の自転車競技を支える拠点となった。2015年と2022年には世界選手権が、2024年にはパリ五輪のトラック競技が開催され、世界有数の高速走路として国際的な評価を得ている。観客5,000人を収容する本館に隣接して、ヨーロッパ大陸で初めて全面を屋根で覆ったBMX競技場や、選手用の宿泊施設も整えられ、ひとつの自転車競技拠点を形づくっている。
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