ポーランド・ワルシャワに建つ超高層ビル。ノーマン・フォスターの設計により2022年に完成し、尖塔を含む高さ310メートルは欧州連合(EU)域内で最も高い。3棟からなるヴァルソ・プレイスの主塔である。
§1 — 概要概要
ヴァルソ・タワー(Varso Tower)は、ポーランドの首都ワルシャワの中心部、ヴォラ地区に建つ超高層ビルである。イギリスの設計事務所フォスター・アンド・パートナーズの設計により2022年に完成し、尖塔の先端までの高さ310メートルは、欧州連合(EU)域内でもっとも高い建築物である。中層の二棟(ヴァルソ1・ヴァルソ2)とともに「ヴァルソ・プレイス」と呼ばれる複合施設をなし、その主塔にあたる。名称は、ワルシャワのラテン語名「ヴァルソヴィア(Varsovia)」に由来する。
歴史
この計画は、ワルシャワ中央駅に隣接する敷地で、不動産会社HBレアヴィスにより進められた。2016年に建築許可が下り、2017年3月に礎石が据えられて建設が始まった。タワーの本体は2021年2月に最頂部へ達し、73トンの尖塔が取り付けられて全高310メートルに到達。これにより、同じくフォスターが手がけたフランクフルトのコメルツ銀行タワー(259メートル)を抜いてEU域内最高となった。建物は2022年に完成し、国内でそれまで最も高かったワルシャワの文化科学宮殿(1955年)を上回って、ポーランド一の高さとなった。なお、ヨーロッパ全体ではサンクトペテルブルクのラフタ・センターなどが上回り、最高ではない。
建築的特徴
タワーは、鉄筋コンクリートのコアと外周構造をもち、三つに分かれた直方体のヴォリュームが上方へ向かって段状に絞られながら一つにまとまる、すっきりとした造形である。本体の屋上高さは230メートルで、その上に80メートルの尖塔が載る。外装は高性能の三層ガラスで覆われ、日射熱の取得を抑える。地上階には、ガラスのスクリーンで囲まれ、樹木やベンチを配した広場(「都市の部屋」)が設けられ、就業者と市民が憩う社交の場となっている。49階には16本の樹木を植えた庭園が、53階にはポーランド最高所の展望台(ヴィスタ・テラス、高さ230メートル)が設けられた。
意義・現在
ヴァルソ・タワーは、第二次世界大戦で破壊された市街地の上に建ち、現代のワルシャワを象徴する建築として構想された。環境性能の面でも高く評価され、BREEAM「アウトスタンディング」やWELL「ゴールド」の認証を取得している。地下でワルシャワ中央駅と直結し、都市の交通結節点と一体化している点も特徴である。オフィスを主用途としつつ、地上の広場や上層の展望台を公共に開く構成は、超高層を都市の生活に結びつけようとする試みとして注目される。2025年には展望台が一般に公開された。
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