EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
北京首都国際空港
© Calvin411 / CC BY 4.0
FIG. 01 — Q32190

北京首都国際空港 Beijing Capital International Airport

1958年に開港した中国の首都空港。2008年の北京五輪に合わせ、ノーマン・フォスターらの設計による第3ターミナルが完成し、単一の工期で建設された空港ターミナルとしては当時世界最大の98万6千平方メートルを数えた。

FIG. 02 — Location40.0800° N 116.5844° E
中国 北京市 北京
§1 — 概要

概要

北京首都国際空港は、北京市中心部の北東およそ26キロに位置する中国の基幹空港である。中華人民共和国の成立後に初めて建設・供用された民間専用空港であり、長く「第一国門」と呼ばれてきた。第1・第2ターミナルは順義区に囲まれた朝陽区の飛び地に、第3ターミナルは順義区の土地に建つ。建築として語られるのは、そのほとんどが2008年に加わった第3ターミナルである。

歴史

計画は1950年に始まったが、朝鮮戦争によって一度中断し、1954年に再開された。ソ連の技術者の指導のもとで設計が進められ、1955年6月に着工、1958年3月に供用が始まった。同年10月には最初の旅客ターミナル(南候機楼)が完成している。以後、空港は中国の対外開放の度合いに合わせて拡張を重ねた。1980年に第1ターミナルが、1999年に第2ターミナルが開業し、後者は日本の円借款が建設費のおよそ半分を担った。

2001年に北京の五輪招致が決まると第3ターミナル計画が動き出し、2004年3月に着工、2008年2月29日に供用を開始した。2019年に北京大興国際空港が開港して路線の分散が進んだのちも、当空港は中国国際航空の拠点として機能している。

建築的特徴

第3ターミナルは、オランダの空港コンサルタントNACO、イギリスのフォスター・アンド・パートナーズ、構造設計のアラップ、そして北京市建築設計研究院による共同設計である。本館(3-C)と二つのサテライト(3-D・3-E)からなり、全長3.25キロメートル、総床面積98万6千平方メートル。単一の工期で建設された空港ターミナルとしては、開業時点で世界最大であった。

屋根は鉄骨フレームによる大スパンの一枚の面として架けられ、旅客の頭上には柱の少ない連続した空間が広がる。天井に穿たれた三角形のトップライトは南東を向き、朝の光を採り入れると同時に、列をなして進行方向を指し示す。天井の色は中央部の赤から周縁の黄へと段階的に変わり、旅客は色の変化から建物内のどのあたりにいるかを知ることができる。案内表示ではなく建築そのものに方向を担わせる考え方であり、外周を包むカーテンウォールの透明性がこれを補う。屋根の色と稜線は、中国建築の伝統色や龍を思わせるものとしてしばしば語られる。

意義・現在

第3ターミナルは、大規模な交通建築が国家の自己表現の場となった2000年代を代表する事例である。空港ターミナルは通常、需要に追われて増築を重ね、継ぎ接ぎの集合体になる。ここでは一度に建てるという判断が、単一の屋根の下に全機能を収める明快な構成を可能にした。世界最大という称号は開業から八か月ほどでドバイ国際空港の第3ターミナルへ移り、その後も各地でより大きなターミナルが建てられている。しかしこの建築が参照され続けるのは規模ゆえではなく、巨大な内部空間のなかで人がどう方向を見出すかという問いに、形と光で答えた点にある。

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LAST EDIT — 2026.07.27
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