EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ヴァスコ・ダ・ガマ・タワー
© Pedro Henrique Pinho / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q1756313

ヴァスコ・ダ・ガマ・タワー Vasco da Gama Tower

Torre Vasco da Gama

リスボンのテージョ川沿い、パルケ・ダス・ナソンイス地区に立つポルトガル最高層の塔。1998年のリスボン万博のために、大航海時代の帆船の帆をかたどって建てられた。高さ145メートル、鉄骨の帆を中心の支柱が支える。

FIG. 02 — Location38.7747° N 9.0914° W
ポルトガル パルケ・ダス・ナソンイス地区 リスボン
§1 — 概要

概要

ヴァスコ・ダ・ガマ・タワー(Torre Vasco da Gama)は、リスボンのテージョ川北岸、旧万博跡地のパルケ・ダス・ナソンイス地区に立つ、ポルトガルで最も高い建築である。高さは145メートル。インド航路を開いた航海者ヴァスコ・ダ・ガマにちなんで名づけられ、その姿は大航海時代の帆船の帆をかたどる。1998年のリスボン万博のために建てられた超高層建築である。

歴史

塔は、ヴァスコ・ダ・ガマのインド到達(1498年)から五百年を記念する1998年の万博に合わせて建設された。「海洋――未来への遺産」を主題とした会場で、塔の基部は欧州連合パヴィリオンに、頂部は展望台とレストランに用いられた。設計は、ポルトガルの建築家レオノール・ジャネイロと、SOMのニック・ジェイコブズが手がけた。万博の終了後、基部はオフィスとして使われる予定であったが借り手がつかず、展望台とレストランも2004年に閉じられた。2007年に基部が取り壊され、塔本体をほぼ残したまま、五つ星ホテル「ミリアード」が組み込まれて2012年に開業した。設計はヌノ・レオニダスによる。2018年にはかつての展望階に星付きのレストランが入り、塔は新たな用途を得た。

建築的特徴

塔は、垂直の支柱を中心の帆柱に見立て、これを湾曲した鉄骨の格子が帆のように取り巻く。基部は船首のように川へ突き出し、柱に支えられてテラスをなす。骨格は鉄筋コンクリートの芯と鋼の骨組みからなり、川辺の立地ゆえ、時速320キロに及ぶ強風にも耐えるよう設計された。鋼の帆はマルティフェル社が組み立てている。頂部の展望台は、帆船の見張り台(クロウズ・ネスト)に倣った円形で、ガラス張りのエレベーターで結ばれる。

意義・現在

ヴァスコ・ダ・ガマ・タワーは、海への航海でひらかれたポルトガルの歴史を、現代の構造技術によって一つの形に結んだ建物である。万博のために生まれた多くの仮設的な建築が姿を消すなか、この塔はホテルやレストランへ用途を変えながら残り、四半世紀あまりを経てなお、リスボン随一の高さを保つ。テージョ川とヴァスコ・ダ・ガマ橋を見はるかす頂は、街の輪郭を画す目印であり続けている。

関連する建築

Related
同じ時代
ポストモダン建築 台北101
2004 · 台北
台北101
C. Y. Lee

台北の信義区に立つ、高さ508メートルの超高層ビル。2004年完成。2010年まで世界一…

データ: Wikidata (Q1756313) / 画像: © Pedro Henrique Pinho / CC BY-SA 4.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.21
ENTRY ID — BLD-0254