キープKeep
キープ(keep)は、中世ヨーロッパの城郭で最も堅固に造られた中核の塔状建築で、主塔とも訳される。フランス語ではドンジョン(donjon)と呼ぶ。籠城時の最終防御拠点であると同時に、領主の居所・倉庫・牢としても用いられ、領主の権威を示す象徴でもあった。方形のものが一般的だが、円形や多葉形など防御上の工夫を凝らした平面も現れた。厚い石壁の内部に螺旋階段や小室を抱え込み、矢狭間から射撃できる構えをとる。ルネサンス期にはシャンボール城のように軍事的必要を離れ、左右対称の居住・儀礼空間として再構成された。日本の城の天守に近い位置づけで語られることもある。
