EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ムガル建築

Mughal architecture
年代
1526 — 1857
地域
南アジア(インド亜大陸)
時代
中世

ムガル建築(Mughal architecture)は、16世紀から18世紀にかけてインド亜大陸を支配したムガル帝国のもとで展開した建築様式である。中央アジアからペルシアにさかのぼるイスラーム建築の伝統と、インド在来の技法・装飾とを融合させ、インド・イスラーム建築の一頂点をなした。

帝国の創始は16世紀前半だが、建築が本格的に花開くのは第3代アクバルの治世以降である。アクバルは赤砂岩を多用した都城ファテープル・シークリーを築き、第5代シャー・ジャハーンの時代には白大理石による洗練が極限まで進んだ。展開の中心は、デリー、アーグラ、ラホールといった帝国の中枢都市であった。

形態の特徴としては、球根状にふくらむ大ドーム、ほっそりとした尖塔(ミナレット)、正面を大きく刳り抜いたアーチ状の門(ピシュターク)が挙げられる。建物はしばしば左右対称に構成され、十字の水路で四分する庭園(チャハル・バーグ)と一体に設計された。装飾では、赤砂岩と白大理石の色の対比、半貴石をはめ込む象嵌細工(パルチンカリ)、細やかな透かし彫りの格子(ジャーリー)、流麗な書(カリグラフィー)が多用される。

代表作には、のちのタージ・マハルの原型とも評される初期のフマーユーン廟、様式の頂点をなすタージ・マハル、城郭建築の赤い城(ラール・キラー)、デリーやラホールの大モスクなどがある。

ムガル建築は、ティムール朝やサファヴィー朝ペルシアの建築を母胎としつつ、インドの風土と技術を取り込んで独自に成熟した。帝国の衰退後も、その意匠は19〜20世紀のインド・サラセン様式に引用され、植民地期の公共建築にまで影を落としている。

ムガル建築
§1

代表建築

Buildings
イスラーム建築 赤い城
1648 · デリー
赤い城
Ahmad Lahori

デリーに築かれたムガル帝国の城塞宮殿。第5代皇帝シャー・ジャハーンが新都シャー…

ムガル建築 ハワー・マハル
1799 · ジャイプル
ハワー・マハル
Lal Chand Ustad

インド・ジャイプルのシティ・パレスに付属する宮殿。1799年にマハーラージャ・サ…