EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

北欧古典主義

Nordic Classicism
年代
1910 — 1930
地域
北欧(スカンジナビア)
時代
近代モダニズム

北欧古典主義(Nordic Classicism)は、1910年代後半から1930年頃にかけて、スウェーデンを中心とする北欧諸国で展開した古典主義建築の一傾向である。ナショナル・ロマン主義の重厚な民族様式と、続いて到来する機能主義(モダニズム)との間に位置する、短いが濃密な過渡期の様式として知られる。

その特徴は、古代ギリシア・ローマやイタリアの建築規範を参照しながらも、それを北欧的な簡素さで濾過した点にある。柱やペディメントといった古典の語彙は保たれるものの、装飾は切り詰められ、白い壁面と純粋な幾何学的ヴォリュームが前面に出る。重々しい記念性よりも、軽やかさと洗練、親密な尺度が重んじられた。英国での批評を機に「スウェーデン・グレース(スウェーデンの優美)」とも呼ばれる。

代表的な建築家はグンナール・アスプルンドとシーグルド・レーヴェレンツであり、アスプルンドのストックホルム市立図書館(1928年)はその到達点とされる。両者が協働したスコーグスシュルコゴーデン(森の墓地)の初期の礼拝堂群も、この様式を体現している。同様の簡素な古典主義は、エリク・ブリュッグマンらのフィンランドやデンマークなど、北欧の他地域にも並行して広がった。

北欧古典主義は1930年のストックホルム博覧会を境に、急速に機能主義へと移行した。装飾を捨て幾何学を純化させる方向性は、そのまま次代のモダニズムへと引き継がれ、簡素で人間的な北欧モダンの素地ともなった。

北欧古典主義
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
新古典主義
本様式
北欧古典主義
隣接する様式