ロシア建築
ロシア建築(Russian architecture)は、東スラヴの地に展開した建築の伝統を指す。ビザンティンの正教会建築を母体としつつ、寒冷な気候と豊かな森林を背景に、独自の形式を育てた。
10世紀末のキリスト教受容に始まり、キエフ・ルーシからウラジーミル・スーズダリ、ノヴゴロド、そしてモスクワ大公国・ロシア・ツァーリ国へと、中心を移しながら展開した。18世紀のピョートル大帝による西欧化までが、その古典的な時代にあたる。
たまねぎ形のドーム(クーポラ)が林立する多ドームの構成、垂直性を強調した塔状の聖堂、木造建築に由来する天幕屋根(シャーチョル)などが特徴である。赤煉瓦と白石、鮮やかな彩色やタイルが、独特の華やかさを生む。
モスクワ・赤の広場の聖ワシリイ大聖堂が、その奔放な造形の頂点として名高い。本データベースでも、ロシア建築を象徴する作例として位置づける。
ビザンティン建築を源流とし、のちにバロックや新古典主義など西欧の様式を取り込みながら、近代へと続いた。本データベースでは、天幕屋根教会などをその一部に含む広い様式区分とする。