サステナブル建築
Sustainable architecture年代
1990
地域
世界
時代
現代
サステナブル建築(Sustainable architecture)は、建物が環境に与える負荷を最小限に抑えることを目指す、現代建築の根幹をなす理念・潮流である。「持続可能な建築」「環境建築」とも呼ばれる。
その関心は多岐にわたる。建物の運用に必要なエネルギーを減らす省エネルギー設計、太陽光や自然換気の活用、雨水の再利用、そして材料の製造や施工にともなう炭素(エンボディド・カーボン)の削減である。とりわけ21世紀に入り、気候危機が深刻化すると、脱炭素は建築の最優先の課題となった。
具体的な手法は幅広い。森が蓄えた炭素を建物に固定する木造高層(CLT建築)、既存建物を壊さずに用途を変えるコンバージョン、断熱や設備の高度化などである。「最も環境にやさしい建築は、すでに建っている建築である」という言葉が示すように、新築を当然とする発想そのものの見直しが進んでいる。より具体的には、断熱や日射の制御によって冷暖房の負荷を抑える受動的(パッシブ)な設計、太陽光発電や地中熱などの再生可能エネルギーの導入、雨水の循環、そして植物を建築に取り込んで快適性と生物多様性を高める手法などが、組み合わされる。LEEDやBREEAMといった環境性能の評価・認証の制度も、広く用いられるようになった。さらに近年は、環境への負荷だけでなく、誰もが使える公平な空間か、地域社会に資するかという社会的な持続可能性までもが、その射程に含まれつつある。建築を、地球環境と社会の持続という、より大きな問いのなかに位置づけ直す試みである。
§1