アマリエンボー宮殿 Amalienborg
コペンハーゲンに建つデンマーク王室の冬の居城。八角形の広場を囲んで同形のロココ様式の四宮殿が並ぶ。ニコライ・アイクトヴィズの設計で1750年代に造営された。
§1 — 概要概要
アマリエンボー宮殿(Amalienborg)は、デンマークの首都コペンハーゲンに建つ王室の居城である。八角形の広場を囲んで、ほぼ同形の四つのロココ様式の宮殿が向かい合って配される。広場の中央には、宮殿群を含む新市街フレデリクスタウンの造営者フレデリク5世の騎馬像が据えられている。現在もデンマーク王室の冬の住まいとして用いられている。
歴史
1749年、オルデンブルク朝の創始300年を記念して、フレデリク5世はコペンハーゲンに新市街フレデリクスタウンの建設を命じた。その中心となる宮殿群の設計を託されたのが、宮廷建築家ニコライ・アイクトヴィズである。四宮殿は1750年に着工され、当初は四つの貴族の邸宅として建てられた。アイクトヴィズは1754年に没したが工事は引き継がれ、1760年頃に完成をみた。1794年、それまでの王宮クリスチャンスボー城が焼失すると、王室は四宮殿を取得して居城とし、以後アマリエンボーが王室の本拠となった。四宮殿はそれぞれクリスチャン7世宮、クリスチャン8世宮、フレデリク8世宮、クリスチャン9世宮と呼ばれる。
建築的特徴
四棟は八角形の広場に対して点対称に配され、統一された外観で都市的な秩序をつくりだす。外壁は端正な古典的構成をとり、装飾はロココ特有の軽やかさを内部へ集中させる。華麗なスタッコ装飾や曲線的な室内意匠は、抑制された外観と対照をなす。広場・宮殿・その奥に望むフレデリク教会(大理石教会)のドームが一直線の軸線上に置かれ、バロック的な都市計画の発想を示している。
意義・現在
アマリエンボーは、18世紀デンマークにおけるロココ建築と、計画的な都市デザインの到達点として知られる。今日も王室の公邸であり、毎日の衛兵交代は観光の名物となっている。四宮殿の一部は博物館として公開され、王室の歴史を伝えている。世界遺産の暫定リストにも記載され、コペンハーゲンを代表する歴史的建造物の一つである。