EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
フレデリクス教会
© Jakub Hałun / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q1321231

コペンハーゲンのフレデリクススタデンの中心に立つルター派教会。アイクトヴィズが設計し1749年に着工したが、約150年の中断を経てメルダールが完成させ1894年に開堂した。北欧最大のドームをもつ。

FIG. 02 — Location55.6850° N 12.5894° E
デンマーク コペンハーゲン市
§1 — 概要

概要

フレデリクス教会(Frederik's Church/デンマーク語 Frederiks Kirke)は、コペンハーゲンの市街地フレデリクススタデンの中心に立つ、福音ルター派の教会である。豊かなロココ的意匠と大理石による外観から「大理石教会(マルモアケアケン、Marmorkirken)」の通称で広く親しまれている。アマリエンボー宮殿の西、放射状に整えられた市街の軸線上に据えられ、北欧で最大規模の教会ドームを戴く姿は、首都の景観を代表するランドマークとなっている。

歴史

オルデンブルク家による最初の戴冠から300年の記念事業として計画され、建築家ニコライ・アイクトヴィズが1740年頃に設計をまとめた。1749年10月31日にフレデリク5世が礎石を据えたが、1754年のアイクトヴィズの死と財政難によって工事は停滞する。後を継いだフランスの建築家ニコラ=アンリ・ジャルダンは設計をより古典的な総大理石の構想へと改めたが、1770年にシュトルーエンセによって計画そのものが放棄された。以後この教会は廃墟として約150年ものあいだ放置される。1874年、実業家カール・フレデリク・ティーゲンが廃墟と敷地を買い取り、フェルディナン・メルダールに最終的な設計を委ねた。総大理石の当初案は予算の制約から石灰岩へと改められ、1894年8月19日にようやく公開された。

建築的特徴

外径31メートルに及ぶドームは北欧最大を誇り、十二本の円柱に支えられて立ち上がる。ローマ・バロックの曲線的で壮麗な造形をもち、内部のドーム天井には色彩豊かなフレスコが描かれている。これはローマのサン・ピエトロ大聖堂に着想を得たものとされる。金色の窓枠や外壁を飾る多数の彫像が、白い石の量塊に華やぎを添える。正面入口にはグルントヴィの像が立ち、外壁の周囲にはデンマークおよび世界の教会史を彩った人物像が配されている。長い中断を経て十九世紀末に完成したため、ロココの構想とバロックの量感、そして歴史主義の時代の手が重なり合っている。

意義・現在

フレデリクス教会は、一つの理念がいかに時代を越えて受け継がれ、また変質するかを物語る建築である。十八世紀の宮廷文化が描いた壮麗な構想は、財政と政争のなかで一度は廃墟となり、十九世紀の市民的事業によって別のかたちで結実した。現在もコペンハーゲンの現役の教会として礼拝に用いられ、ドームの展望台からは市街と海峡を一望できる。大理石教会の名で観光の名所ともなり、フレデリクススタデンの古典的な町並みの焦点であり続けている。

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LAST EDIT — 2026.06.30
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