ロココ
Rococo年代
1700 — 1780
地域
フランス・ドイツ・中欧
時代
バロック・ロココ
ロココ(Rococo)は、18世紀前半のフランスに生まれ、重厚なバロックに続いて広まった、軽やかで装飾的な様式である。語源は岩や貝殻を模した装飾「ロカイユ(rocaille)」にあり、当初はルイ15世期のサロンや邸宅の室内装飾——羽目板(ボワズリ)や鏡、漆喰細工——として展開した。パリのオテル・ド・スービーズの内装を手がけたジェルマン・ボフランらが、その優美な室内を代表する。やがて様式は南ドイツやオーストリア、中欧の宮殿・教会へと伝わり、とりわけバイエルンの教会建築で華麗な頂点を迎えた。形態の特徴は、貝殻や植物をかたどった非対称の曲線装飾、白と金やパステルの色調、光を反射する鏡とスタッコ(化粧漆喰)による軽やかな空間にある。建築の構造そのものより、内部を満たす優美な装いに重きが置かれた点で、外観の劇性を競ったバロックとは方向を異にする。代表作には、フランソワ・ド・キュヴィリエによるミュンヘンのアマリエンブルク、バルタザール・ノイマンのフィアツェーンハイリゲン巡礼教会、ドミニクス・ツィンマーマンのヴィース教会などがあり、プロイセンではポツダムのサンスーシ宮殿が「フリードリヒ式ロココ」と呼ばれる。本データベースでは、ニコラ・ド・ピガージュによるシュヴェツィンゲン城の宮廷劇場と庭園が、ロココの宮廷文化を伝える作例である。バロックの荘重さをやわらげて室内へと転じたこの様式は、やがてその過剰な装飾への反動を招き、簡素と秩序を求める新古典主義の台頭へとつながっていった。
§1
代表建築
Buildings§2