オスマン・バロック
オスマン・バロック(Ottoman Baroque)は、18世紀のオスマン帝国で生まれた建築様式である。シナンに代表される古典オスマン建築の構成を土台としながら、ヨーロッパのバロックやロココの意匠を取り入れた点を特徴とする。
18世紀、西欧との交流が深まるなか、首都イスタンブールを中心に展開した。曲線や渦巻、貝殻形の装飾といった西欧由来のモティーフが、モスクや噴水、宮殿に用いられた。
波打つ軒蛇腹、渦巻形やアカンサスの装飾、円弧を描くペディメント、豊かな曲面など、直線を曲線へと溶かすような造形を好む。窓を多くとった明るい内部も、この様式の特色である。
イスタンブールのヌルオスマニエ・モスクは、この様式を最初に大規模に示した記念碑的作例であり、馬蹄形の中庭など、従来のオスマン建築にない要素をもつ。
古典オスマン建築を母体とし、西欧のバロック・ロココを接ぎ木して生まれた。のちの18〜19世紀には、より折衷的な様式へと展開していった。