EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
無原罪の御宿り全米聖堂
© AgnosticPreachersKid / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q82387

無原罪の御宿り全米聖堂 Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception

Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception

ワシントンD.C.、カトリック大学のキャンパスに建つ、北米最大のカトリック聖堂。アメリカの守護聖母「無原罪の御宿り」に捧げられ、1920年に着工して1959年に上部の大聖堂が完成した。ゴシックをあえて避け、ビザンティンとロマネスクを融合した総石造の建築である。

FIG. 02 — Location38.9333° N 77.0006° W
アメリカ合衆国 ワシントンD.C. ワシントンD.C.
§1 — 概要

概要

アメリカの首都ワシントンD.C.、カトリック大学のキャンパスに建つ、北米最大のカトリック聖堂である。アメリカ合衆国の守護聖母とされる「無原罪の御宿り」の聖母マリアに捧げられ、「アメリカのカトリック教会」とも呼ばれる。ドームと高い鐘塔をいただくその姿は、ワシントンで最も高い建物でもある。

歴史

合衆国の守護聖母を祀る全米の聖堂という構想は19世紀にさかのぼるが、計画が具体化したのは20世紀初頭、カトリック大学の学長トマス・シャハン司教の発意による。設計はボストンの建築事務所マギニス・アンド・ウォルシュが手がけた。1920年9月23日、一万人を超える人々が見守るなか礎石が据えられた。

地下の聖堂(クリプト)は1920年代に整ったが、世界恐慌と第二次世界大戦により、工事は二十年近く中断する。戦後の1954年、全米の司教たちの呼びかけで資金が集められ、工事が再開された。そして1959年11月20日、上部の大聖堂が完成し、献堂された。着工から実に三十九年の歳月であった。その後も鐘塔の鐘(1963年)や、内部を覆うモザイクの制作が長く続き、中央のドームのモザイクが完成したのは2017年のことである。

建築的特徴

最大の特徴は、ヨーロッパの大聖堂を模倣しない「アメリカらしい」聖堂を求めて選ばれた、ビザンティンとロマネスクを融合した様式である。当初はゴシックも検討されたが、近くに建設中であったゴシックのワシントン大聖堂と区別し、また外殻を一度に建てられる利点から、この様式が採られた。鉄骨を用いず、石・煉瓦・タイルの組積のみで築かれている点も大きな特色で、ペンデンティヴに支えられたドームや半円アーチが、堅固で荘厳な空間をかたちづくる。内部は金地のモザイクで飾られ、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂を思わせる。

意義・現在

この聖堂は、アメリカのカトリック信徒が世代を超えて築き上げた、信仰の記念碑である。世界各地にルーツをもつ信徒のために八十を超える礼拝堂が設けられ、合衆国の多様さをも映し出している。1990年には教皇ヨハネ・パウロ2世により小バシリカに格上げされ、今も年に百万人もの巡礼者を迎える、アメリカ随一のマリア聖堂であり続けている。

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LAST EDIT — 2026.06.21
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