デッサウ・バウハウス校舎 Bauhaus Dessau
ドイツ、デッサウに立つ造形学校バウハウスの校舎。1925〜26年にヴァルター・グロピウスが設計した。ガラスのカーテンウォールと機能本位の非対称構成により、モダニズムの理念を建築として体現した記念碑である。
§1 — 概要概要
デッサウ・バウハウス校舎(Bauhausgebäude)は、ドイツ中部デッサウに立つ、造形学校バウハウスの校舎である。校長ヴァルター・グロピウスが設計し、1925年に着工、1926年に完成した。学校の建物でありながら、バウハウスが掲げる理念——芸術と産業の統合、機能本位、装飾の排除——を、建築そのものとして宣言した記念碑である。
歴史
バウハウスは1919年にワイマールで創設されたが、政治的圧力により1925年にデッサウへ移転し、その際にこの校舎が新築された。工房・教室・講堂・学生寮と、橋でつながる管理棟が、機能ごとに異なる翼として配された。1932年に学校はベルリンへ追われ、翌年ナチスにより閉鎖されたが、校舎は残り、戦後の修復を経て、1996年に世界遺産に登録された。
建築的特徴
建物は、用途の異なる複数の翼を風車のように非対称に組み合わせ、決まった「正面」をもたない。どの方向から見ても異なる表情をみせ、全体を把握するには歩き回る必要がある。工房棟の外壁は、構造を内側の柱に移すことで実現した広大なガラスのカーテンウォールで覆われ、昼は内部を、夜は煌々と光る箱を見せる。鉄筋コンクリートと鉄、ガラスという工業の素材を率直に用い、装飾を一切排した構成は、機能主義の宣言にほかならない。
意義・現在
デッサウのバウハウス校舎は、モダニズム建築と国際様式の出発点を象徴する建物である。ここで育まれた造形教育とデザインの思想は、20世紀の建築・家具・グラフィックに計り知れない影響を与えた。現在はバウハウス・デッサウ財団が管理し、博物館・研究拠点として公開されている。