ドイツ北部のハンザ都市ブレーメンの市場広場に立つ福音主義の大聖堂。11世紀のロマネスクを核に13世紀以降ゴシック化し、19世紀末の修復で左右対称の双塔を備えた、北ドイツ屈指の石造建築である。
§1 — 概要概要
ブレーメン大聖堂(St.-Petri-Dom、聖ペトリ大聖堂)は、ドイツ北部のハンザ都市ブレーメンの市場広場(マルクト)に面して立つ大聖堂である。11世紀のロマネスク建築を核とし、後世のゴシック化や19世紀の修復を経た、北ドイツを代表する歴史的石造建築の一つ。市庁舎やローラント像とともに旧市街の象徴をなす。宗教改革以降は福音主義(ルター派)の教会である。
歴史
起源は8世紀末、宣教師ヴィレハートが建てた木造聖堂にさかのぼる。1041年の大火で焼失したのち、1042年から大司教アダルベルトらの下でロマネスク様式の柱列バシリカとして再建された。西側地下のクリプタは1068年に献堂され、市内最古の空間として残る。13世紀、大司教ゲルハルト2世の頃に西正面と双塔の下層(ロマネスク)が築かれ、続いて身廊や内陣がゴシックのヴォールトで覆われた。1502年以降には後期ゴシックの北側廊が拡張された。宗教改革後は70年近く閉鎖されて荒廃したが、1888年から1901年にかけて大修復が行われ、現在の姿が整えられた。
建築的特徴
砂岩と煉瓦を用いた三廊式バシリカで、半円アーチのロマネスクと、尖頭アーチ・リブ・ヴォールトのゴシックが混在する。ヨーロッパ有数の煉瓦造を含むが、外装の多くを砂岩が覆う。最も目を引く西側の双塔は、19世紀の修復で初めて左右対称に整えられて現在の高さに達したもので、約98メートルを測る。交差部の塔もこのとき新たに加えられた。内部の壁面装飾は画家ヘルマン・シャーパーがビザンティン風に手がけ、おおむね今日まで保たれている。
意義・現在
1200年を超える大聖堂の歩みは、ブレーメンがスカンディナヴィアやバルト海沿岸への布教拠点であった中世以来の歴史と重なる。第二次世界大戦で大きく損傷したが1950年までに再建され、その後も修復が重ねられた。1229年の青銅製洗礼盤や1365年の聖歌隊席など中世の遺品を伝え、付属の博物館や「鉛の地下室」とともに見学できる。