EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ケイアン・タワー
© ~Pyb / CC BY-SA 2.0
FIG. 01 — Q391648

ドバイ・マリーナに建つ、らせん状にねじれた超高層住宅。設計はSOM。各階を1.2度ずつ回転させて積み上げ、全体で90度ねじれる。2013年竣工、高さ306メートル。完成時は世界で最も高いねじれた塔であった。旧称インフィニティ・タワー。

FIG. 02 — Location25.0869° N 55.1452° E
アラブ首長国連邦 ドバイ首長国 ドバイ
§1 — 概要

概要

ケイアン・タワー(Cayan Tower、旧称インフィニティ・タワー)は、アラブ首長国連邦・ドバイのウォーターフロント地区ドバイ・マリーナに建つ超高層の住宅棟である。基部から頂部にかけて全体が90度ねじれる特異な形状で知られ、2013年の完成時には世界で最も高い「ねじれた塔」となった。設計は、ブルジュ・ハリファなども手がけたアメリカの設計事務所SOM(スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル)。高さは306メートル、地上73階を数える。

歴史

建設は2006年に始まったが、2007年にドバイ・マリーナの擁壁が決壊して基礎の掘削現場が浸水し、工事は長く中断した。2008年に再開された後も世界的な金融危機の影響を受け、当初の予定から大きく遅れて2013年6月に開業した。竣工にあわせ、事業主の名を冠したケイアン・タワーへと改称されている。完成時に保持した世界一の称号は、2015年に開業した上海タワーに譲った。

建築的特徴

ねじれは、平面が同一の各階を、下の階に対して1.2度ずつ回転させながら積み上げることで生み出される。すべての階が同じ形であるため、構造と施工を反復可能な単純な形式に保ちながら、外観には連続したらせんが立ち現れる。建物の形そのものが、それを支える構造の論理を率直に表している点に、この塔の見どころがある。中央の鉄筋コンクリートのコアと外周の柱が荷重を担い、外装はカーテンウォールとした。砂漠の強い日射に対しては、チタン色の金属パネルと深い庇で日陰をつくり、室内への直射を抑えている。らせん形は高さ方向に風の力を分散させ、風荷重を和らげる効果ももつとされる。

意義・現在

ケイアン・タワーは、スウェーデンのターニング・トルソに続く「ねじれる超高層」の系譜に連なり、その高さを更新した建物である。装飾ではなく構造と幾何学の操作によって彫刻的な形を得る手法は、コンピュータによる設計と施工が可能にした現代の超高層建築の一つの方向を示している。現在も高級住宅として使われ、ドバイ・マリーナの景観を象徴する塔のひとつとなっている。

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データ: Wikidata (Q391648) / 画像: © ~Pyb / CC BY-SA 2.0 — Wikimedia Commons
※ アラブ首長国連邦にはパノラマの自由の規定がなく、現代建築の外観写真の利用には制約がある。掲載画像は建設中(2010年)に撮影されたもの。
LAST EDIT — 2026.06.24
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