百周年記念ホール Centennial Hall
ポーランド・ヴロツワフに建つ多目的ホール。建築家マックス・ベルクの設計により1911年から1913年にかけて建設された、鉄筋コンクリート建築の初期の記念碑である。直径約65メートルのリブ付きドームをもち、2006年に世界遺産に登録された。
§1 — 概要概要
百周年記念ホール(Hala Stulecia/独称ヤールフンダートハレ)は、ポーランド南西部の都市ヴロツワフに建つ多目的ホールである。建築家マックス・ベルクの設計で1911年から1913年にかけて建設された、鉄筋コンクリート建築の歴史における記念碑的作品であり、2006年にユネスコ世界遺産に登録された。
歴史
建設は、1813年のライプツィヒの戦いとプロイセン王の国民への呼びかけから100周年を記念する事業の一環であった。「百周年」の名はこれに由来する。当時ドイツ帝国領ブレスラウであった市は、国からの財政支援を得られず、独力で巨費を投じてこれを完成させた。1913年5月20日に開館し、周囲のペルゴラなどの施設はハンス・ペルツィヒが設計した。第二次世界大戦を生き延び、戦後ポーランド領となってからは一時「人民ホール」と呼ばれた。
建築的特徴
最大の見どころは、直径約65メートルに及ぶ巨大なドームである。放射状のリブで構成された鉄筋コンクリートの円蓋は、組積造であった古代ローマのパンテオンの円蓋を上回る径を実現し、当時の構造技術の最前線を示した。下部では四つの大きなアーチが荷重を受け、内部には柱のない広大な空間が生まれている。頂部には採光のためのランタンが載り、無柱の大空間を明るく照らす。装飾を抑え、構造そのものを空間の表現とする姿勢は、来るべきモダニズム建築を先取りするものであった。
意義・現在
本ホールは、鉄筋コンクリートという新しい素材が記念碑的な建築を生み出しうることを世界に示した先駆的作品である。多目的の大空間という発想とともに、20世紀建築の方向性を予告した。マックス・ベルクの代表作であり、2005年にはポーランドの国家史跡にも指定された。現在も展示会・コンサート・スポーツなど多様な催しの会場として使われ続けている。