チェルトーザ・ディ・パヴィーア修道院 Certosa di Pavia
ロンバルディア州、パヴィーアの北に建つカルトジオ会の修道院。1396年にヴィスコンティ家の霊廟として着工し、ゴシックの聖堂に色大理石の華麗なファサードを戴く、北イタリア・ルネサンス建築の到達点のひとつである。
§1 — 概要概要
チェルトーザ・ディ・パヴィーア(Certosa di Pavia)は、イタリア北部ロンバルディア州、パヴィーアの北約8kmに建つカルトジオ会の修道院である。1396年、ミラノ公ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティが一族の霊廟として創建した。ゴシックからルネサンスへの移行期をまたいで建設され、わけても色大理石を象嵌した華麗なファサードによって、北イタリア・ルネサンス建築の到達点のひとつに数えられる。
歴史
着工は1396年8月27日の礎石定置にさかのぼる。聖堂を中心とする伽藍は約一世紀をかけて整えられ、1495年ごろに主要部が完成、1497年に聖堂が献堂された。初期の設計はマルコ・ソラーリらが担い、ゴシック様式の聖堂本体はソラーリ家、なかでもグイニフォルテ・ソラーリ(Guiniforte Solari)の手で進められた。1481年以降、西正面の造営は彫刻家でもあるジョヴァンニ・アントニオ・アマデーオ(Giovanni Antonio Amadeo)が指揮し、マンテガッツァ兄弟やブリオスコらが装飾を担った。ファサード上部は1554年以降クリストフォロ・ロンバルドのもとで改められたが、ついに完全には仕上げられないままとなった。
建築的特徴
平面はラテン十字、三廊式の聖堂を核とし、大小2つの回廊(キオストロ)が修道士の生活の場を囲む。最大の見どころは西正面のファサードで、色大理石の象嵌、浮彫の聖人像やメダイヨン、繊細な装飾帯が壁面をびっしりと覆う。下部はアマデーオによる初期ルネサンスの彫塑的な密度を示し、上部にはゴシックの垂直性の名残をとどめる。聖堂内部はゴシックのリブ・ヴォールトに覆われ、後世のフレスコや彫刻、ヴィスコンティ・スフォルツァ家の石棺がそこに加えられていった。
意義・現在
チェルトーザ・ディ・パヴィーアは、ゴシックの構造体にルネサンスの装飾言語を接ぎ木した過渡期の証人であり、ロンバルディア彫刻の一大宝庫でもある。その華麗な正面は後のロンバルディア建築に範を示した。イタリアの国定記念物(monumento nazionale)として保護され、現在も修道生活が営まれつつ一般に公開されている。