サン・マルティーノ修道院 Certosa di San Martino
ナポリの丘に建つ旧カルトジオ会修道院。1325年創建。ゴシックに始まりルネサンス・バロックへと改修され、ナポリ・バロックを代表する。現在は国立美術館。
§1 — 概要概要
サン・マルティーノ修道院(チェルトーザ・ディ・サン・マルティーノ)は、イタリア南部の都市ナポリの丘の上に建つ旧カルトジオ会の修道院である。市街と湾を見下ろすヴォメロの丘に位置し、14世紀の創建以来、増改築を重ねて壮麗なバロックの姿に整えられた。現在は国立サン・マルティーノ美術館として公開されている。
歴史
修道院は1325年、アンジュー家のカラブリア公カルロによって創建が始められ、彫刻家・建築家のティーノ・ディ・カマイーノらがその初期の造営に関わったと伝えられる。当初はゴシック様式で築かれ、1368年に献堂された。16世紀末からはジョヴァンニ・アントニオ・ドージオが大回廊などを整え、後期ルネサンスの構成が加えられた。17世紀には建築家・彫刻家のコジモ・ファンツァーゴが内部装飾を全面的に手がけ、ナポリ・バロックの華やかな空間を完成させた。18世紀にも装飾の改変が続き、1866年にイタリア王国の国有財産となって博物館へと転用された。
建築的特徴
修道院の中心をなす大回廊は、白い列柱に囲まれた広大な中庭で、隅にはファンツァーゴによる髑髏を象った装飾などが配されている。付属する修道院教会は、壁や床を彩る多彩な大理石象嵌によって埋め尽くされ、有色大理石を組み合わせた絢爛な内装はナポリ・バロックの頂点とされる。絵画や彫刻、寄木細工の装飾も豊かで、空間全体が一つの総合芸術をなしている。回廊や付属する諸室からはナポリ湾とヴェスヴィオ火山を望むことができ、建築と景観が一体となった体験を生む。
意義・現在
サン・マルティーノ修道院は、ゴシックに始まりルネサンス、バロックへと層を重ねた建築として、ナポリの美術と歴史を凝縮した場所である。現在は国立美術館として、ナポリ派の絵画やプレゼーピオ(キリスト降誕の人形群)の優れた収蔵品を展示するとともに、丘の上から望むナポリ湾の眺望でも知られている。
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