カトリック宮廷教会 Dresden Cathedral
ドレスデンのエルベ川畔に立つ後期バロックのカトリック聖堂。カトリックに改宗したザクセン選帝侯アウグスト3世が、G・キアヴェーリの設計で1738〜1751年に建てた。屋根を飾る78体の聖人像で知られる。
§1 — 概要概要
ドレスデン大聖堂は、ドイツ東部の都市ドレスデンのエルベ川畔に立つカトリックの聖堂である。正式にはザクセン宮廷教会(ホーフキルヒェ)と呼ばれ、プロテスタントが多数を占めるザクセンの地にあって、王家のカトリック信仰を象徴する建物として建てられた。優美な塔と、屋根の上に並ぶ多数の聖人像で知られ、ザクセン最大の教会堂とされる。
歴史
ポーランド王位を得るためにカトリックへ改宗したザクセン選帝侯アウグスト3世(強王アウグストの子)は、新たな宮廷教会の建設を望んだ。設計はローマで研鑽を積んだイタリア人建築家ガエターノ・キアヴェーリに委ねられ、1738年に着工した。工事は1751年に完了し、聖堂は献堂された。第二次世界大戦末期の1945年2月、ドレスデン空襲によって建物は大きく損傷したが、戦後に修復が進められ、1962年までにおおむね復旧した。1980年にはドレスデン・マイセン司教区の司教座聖堂となり、「大聖堂」の地位を得た。
建築的特徴
聖堂は、後期バロックの様式によって設計された三廊式の堂である。最大の特徴は、屋根のバルストレードの上に並ぶ78体の聖人像で、彫刻家ロレンツォ・マッティエッリらの手になる。これらの像が建物の輪郭を柔らかく彩り、空に向かって立ち上がる動きを与えている。高さ約85メートルの鐘塔はエルベ川の対岸からもよく見え、近隣のツヴィンガー宮殿やゼンパー歌劇場とともにドレスデンの川辺の景観を形づくる。
意義・現在
ドレスデン大聖堂は、ドイツにおける後期バロック建築の代表作の一つに数えられる。地下の納骨堂にはザクセンを治めたヴェッティン家の歴代君主が葬られ、強王アウグストの心臓を納めた容器が安置されていることでも知られる。聖堂は司教座教会として今も礼拝に用いられるとともに、ドレスデンの歴史的中心部を構成する建造物として、多くの来訪者を迎えている。