エスタディオ・センテナリオ Estadio Centenario
モンテビデオの国立競技場。1930年の第1回サッカー・ワールドカップのために建てられ、フアン・アントニオ・スカッソが設計した。アール・デコの記念塔をもち、FIFAが世界唯一の「サッカー世界記念物」に指定した。
§1 — 概要概要
エスタディオ・センテナリオは、モンテビデオのパルケ・バトリェ地区に立つウルグアイの国立競技場である。1930年、ウルグアイ憲法制定100周年(センテナリオ)にちなんで名づけられ、同年に開催された第1回サッカー・ワールドカップの主会場として建てられた。モンテビデオ県が所有する。
歴史
建設は1929年に始まり、移民労働者の手でおよそ9か月という短期間で完成した。1930年7月18日、ウルグアイ対ペルー戦で開場し、エクトル・カストロの決勝点でウルグアイが1対0と制した。同大会の決勝ではウルグアイがアルゼンチンを4対2で破って初代王者となった。設計は建築家フアン・アントニオ・スカッソが担い、鉄筋コンクリートによる大スタンドが短い工期を支えた。もっとも、モンテビデオを襲った長雨で工事は遅れ、大会序盤の数試合は市内のポシートスやパルケ・セントラルなど別の競技場で行われた。
建築的特徴
四つのスタンドが観客席を囲み、主スタンドは五輪連覇にちなむ「オリンピカ」、ほかは1924年パリ五輪の決勝の地にちなむ「コロンブ」、1928年に連覇を果たした地にちなむ「アムステルダム」など、いずれもウルグアイのサッカー栄光を記念する名を冠する。象徴は「敬意の塔(トーレ・デ・ロス・オメナヘス)」と呼ばれるアール・デコの記念塔で、垂直の稜線を強調した造形が大会の開催を記念する。場内ではコンクリートのカンチレバーによる庇が観客席へ張り出す。
意義・現在
1983年、FIFAはセンテナリオを世界で唯一の「サッカー世界記念物」に指定した。2021年にはコパ・リベルタドーレスとコパ・スダメリカーナの決勝の会場に選ばれ、観客席や照明の改修が施された。現在もウルグアイ代表の本拠地として使われ、約6万人を収容して、コパ・アメリカやクラブの国際試合の舞台ともなる。近代スポーツ建築の出発点を示す存在であり続けている。