イスタンブール、ボスポラス海峡に架かる第二の吊橋。1988年に開通した全長1,510mの吊橋で、ヨーロッパとアジアを結ぶ大動脈をなす。征服者メフメト2世にちなんで名づけられた。
§1 — 概要概要
ファーティフ・スルタン・メフメト橋(Fatih Sultan Mehmet Köprüsü)は、イスタンブールでボスポラス海峡をまたぐ吊橋である。第二ボスポラス橋とも呼ばれ、ヨーロッパ側のヒサルウステュとアジア側のカヴァジュクを結ぶ。橋名は、1453年にコンスタンティノープルを攻略したオスマン帝国皇帝メフメト2世(征服者=ファーティフ)に由来する。海峡をまたぐ二本目の橋として、ヨーロッパとアジアを陸路でつなぐ大動脈の一翼を担う。
歴史
1973年に開通した第一ボスポラス橋だけでは、増えつづける交通需要をさばききれなくなり、第二の橋として計画された。1985年12月に着工し、工期を大幅に短縮して1988年に開通、当時の首相トゥルグト・オザルが最初に車で渡ったと伝えられる。設計はイギリスのハイダー・コンサルティング(第一橋を手がけた橋梁設計の名門フリーマン・フォックス社の系譜を引く)がトルコのBOTEKとともに担い、建設は日本のIHI・三菱重工業をはじめ、イタリア・トルコの企業からなる国際コンソーシアムが施工した。複数国の技術者が結集した、当時としても大規模な国際事業であった。
建築的特徴
重力アンカー式の吊橋で、鋼製の主塔から垂直のハンガーで桁を吊る。空力的に設計された流線型の補剛桁を二条の主ケーブルで支える構成は、ハンガーを斜めに張った第一橋とは異なり、より新しい設計思想を反映している。主塔間の中央径間は1,090m、アンカレッジ間の全長は1,510mに及び、主塔は水面から約110mの高さに立つ。桁幅は約39mを測り、八車線の車道を通して大量の交通を受け止める。
意義・現在
開通時には世界で5番目に長い吊橋径間を誇った。現在は一日およそ15万台以上が通行し、汎ヨーロッパ自動車道路やアジアハイウェイの一部として大陸間の物流と通勤を支える。2016年にはさらに北方にヤヴズ・スルタン・セリム橋が架けられ、ボスポラス海峡を渡る複数の橋の一つとして、二大陸にまたがる都市イスタンブールの骨格をなしている。