アカデミア美術館 Gallerie dell'Accademia
ヴェネツィア、大運河左岸のドルソドゥーロ地区に建つ美術館。中世のゴシック教会とパッラーディオらが手がけた同信会施設の複合体を母体とし、19世紀初頭に改装されて、ヴェネツィア派絵画の一大宝庫となった。
§1 — 概要概要
アカデミア美術館(Gallerie dell'Accademia)は、ヴェネツィアの大運河左岸、ドルソドゥーロ地区に位置する美術館である。14世紀から18世紀にいたるヴェネツィア派絵画を体系的にたどれる点で、質量ともにイタリア有数の規模を誇る。建物は、サンタ・マリア・デッラ・カリタに付属したスクオラ・グランデ(同信会の会館)・教会・修道院からなる複合体を転用したもので、絵画の収蔵庫であると同時に、それ自体が中世以来の建築の重層を伝える存在でもある。
歴史
母体となったサンタ・マリア・デッラ・カリタは、中世にさかのぼるアウグスティノ会の施設で、ゴシックの教会を核とする。1561年からはアンドレア・パッラーディオが修道院(カリタ修道院)の改築に着手し、18世紀にはジョルジョ・マッサリが手を加えた。美術アカデミーそのものは1750年に創設されたが、現在地への移転はナポレオン支配下の施設廃止を機としており、ジャンアントニオ・セルヴァらが複合体を画廊として改装し、1817年に一般公開された。
建築的特徴
複合体には、ゴシックの教会堂、パッラーディオが構想した古典主義的な修道院、マッサリによる後年の介入が併存する。とりわけパッラーディオの修道院は、古代ローマの住宅に範をとったアトリウムや列柱を備え、彼がヴェネツィアで手がけた数少ない修道施設として重要である。各時代の様式が一棟のうちに積層している点に、この建物の見どころがある。
意義・現在
ベリーニやジョルジョーネ(『嵐』)、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼら、ヴェネツィア派を代表する画家の傑作を収め、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描『ウィトルウィウス的人体図』を所蔵することでも名高い。長く同居していた美術学校は2004年に転出し、現在は美術館に専用される。建物はイタリアの国定文化財として保護されている。