EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
パラッツォ・グラッシ
© Didier Descouens / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q907964

パラッツォ・グラッシ Palazzo Grassi

Palazzo Grassi

ヴェネツィア、大運河に面する18世紀の貴族邸。ジョルジョ・マッサリが1748年から手がけた、共和国末期に建てられた大運河最後の大邸宅で、現在はピノー・コレクションの現代美術館として用いられている。

FIG. 02 — Location45.4338° N 12.3279° E
イタリア ヴェネト州 ヴェネツィア
§1 — 概要

概要

パラッツォ・グラッシ(Palazzo Grassi)は、ヴェネツィアの大運河沿い、サン・サムエーレ広場の近くに建つ貴族の館である。ヴェネツィア共和国が滅びる直前の18世紀後半に建てられた、大運河に臨む最後の大邸宅として知られる。周囲のビザンティン=ロマネスク風やバロックの館の中にあって、端正な古典主義の佇まいがひときわ目を引く。

歴史

建物はグラッシ家の依頼により、建築家ジョルジョ・マッサリの設計で1748年から1772年にかけて建てられた。マッサリは対岸のカ・レッツォーニコを完成させつつ本作に着手したと伝えられる。1840年にグラッシ家が手放したのち所有者は転々とし、20世紀にはフィアットの所有となって、1980年代から展覧会場として活用された。2005年にフランスの実業家フランソワ・ピノーが取得し、日本の建築家・安藤忠雄の改修を経て、2006年に現代美術の拠点として再開した。

建築的特徴

ファサードは白大理石で仕上げられ、ヴェネツィアの商館に典型的な水際の荷役用開口を持たない、純粋な邸宅建築としての構えをとる。各層はピラスターと窓の規則的な連続で律せられ、中央には格式を示すピアノ・ノービレ(主階)が置かれる。内部の大階段はミケランジェロ・モルライターらのフレスコで飾られる。マッサリ後期の作にふさわしく、バロックの華美を脱した抑制された古典主義が全体を貫いている。

意義・現在

パラッツォ・グラッシは、ヴェネツィア貴族文化の掉尾を飾る建築であると同時に、歴史的建造物が現代美術館へと転生した好例でもある。安藤忠雄による改修は、既存の構造を尊重しつつコンクリートの新たな層を挿し込み、18世紀の館と現代芸術を共存させた。対岸のプンタ・デッラ・ドガーナと並び、現在もヴェネツィアにおける現代美術の中心の一つをなしている。

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データ: Wikidata (Q907964) / 画像: © Didier Descouens / CC BY-SA 4.0 — Wikimedia Commons
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LAST EDIT — 2026.06.30
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