ジョージ・ワシントン・ブリッジ George Washington Bridge
ハドソン川を跨いでマンハッタンとニュージャージーを結ぶ2層式の吊橋。オスマール・アンマンの設計により1931年に開通し、当時世界最長の支間を実現した、20世紀の長大橋の規範。
概要
ジョージ・ワシントン・ブリッジ(George Washington Bridge)は、ハドソン川を跨いでニューヨーク市マンハッタンのワシントン・ハイツと、ニュージャージー州フォートリーを結ぶ吊橋である。アメリカ合衆国初代大統領にちなんで名づけられ、上下2層・計14車線を擁する。世界でもっとも交通量の多い自動車専用橋として知られ、ニューヨーク大都市圏の大動脈をなしている。
歴史
橋は1927年に着工し、ニューヨーク・ニュージャージー港湾局の主任技師オスマール・アンマンの設計のもとで建設が進められた。1931年10月の開通時点で、主支間1,067メートルは当時世界最長であり、それまでの記録を一挙にほぼ倍へと伸ばすものであった。1937年にサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジが開通するまで、その地位を保っている。下層デッキは当初の計画に含まれていたが、交通量の増大を受けて1962年に開通し、現在の2層構成が完成した。
建築的特徴
2基の主塔は鋼材を組み上げた格子状の構造で、高さは水面から約184メートルに達する。当初は顧問建築家キャス・ギルバートの意匠に従い石材で覆う計画であったが、世界恐慌による予算の制約からむき出しのまま残された。この率直な鉄骨の表情は、装飾を排した近代建築の精神と響き合うものとして、ル・コルビュジエらに称賛された。開通当初の上層桁は軽量で本格的な補剛桁を備えていなかったが、1962年の下層デッキ増設にあわせて補剛トラスが組み込まれ、風による揺れへの耐性が高められた。
意義・現在
ジョージ・ワシントン・ブリッジは、吊橋の大型化に一つの到達点を示した構造物である。アンマンはこの橋での成功を足がかりに、ベイヨンヌ橋やヴェラザノ=ナローズ橋など、20世紀アメリカを代表する橋梁を次々と手がけた。現在も改修を重ねながら現役の幹線として機能し、アメリカ土木学会の歴史的土木建造物(Historic Civil Engineering Landmark)にも選定されている。