ホテル・アーツ Hotel Arts
バルセロナの海岸に建つ高さ154メートル・44階の高層ホテル。1992年のオリンピックに向けてSOMのブルース・グレアムが設計し、ガラスの塔を白い鉄骨が外側から包む「外骨格」の意匠で知られる、街を代表するランドマークである。
§1 — 概要概要
ホテル・アーツは、スペイン・バルセロナの地中海に面したオリンピック港に建つ、高さ154メートル・44階建ての高層ホテルである。緑色を帯びたガラスの塔を白い鉄骨が外側から包む独特の姿で知られ、483の客室をもつ高級ホテルとしてリッツ・カールトンが運営する。設計はアメリカの設計事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)で、設計主任を務めたのはブルース・グレアムであった。すぐ隣に同じ高さで並び立つマプフレ・タワーとともに、長くバルセロナで最も高い建築物であり続けている。
歴史
1992年のバルセロナ・オリンピックに合わせた臨海部再開発の中核として計画され、1991年から1992年にかけて建設された。当初は低層部のみを先行して開き、いったん閉じて工事を続けたのち、1994年にリッツ・カールトンが運営するヨーロッパ初のホテルとして本格開業した。基壇の近くにはフランク・ゲーリーによる黄金の魚の彫刻が置かれ、五輪のレガシーを象徴する一画を成している。
建築的特徴
緑がかったガラスの直方体を、白く塗られた鉄骨の骨組みが外側から取り囲む。この骨組みはガラス面から約1.5メートル離して立てられ、構造体を意図的に外へ現す外骨格の構成を取る。柱や梁の接合部までが外から見えることで、建物を支える仕組みそのものが意匠となっている。設計の大半をコンピュータで行った初期の事例の一つでもあり、構造を率直に見せるハイテック建築の代表作とされる。
意義・現在
オリンピックを契機としたバルセロナ臨海部の再生を象徴する建築であり、産業地帯であった海辺を都市の新たな顔へと変えた。サグラダ・ファミリアと並んで遠くからも望まれる都市のランドマークとなっており、開業以来、街のスカイラインを定義する存在であり続けている。近年も大規模な改装が重ねられ、現役の高級ホテルとして使われている。