EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
タッセル邸
© Karl Stas / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q1881679
様式 · アール・ヌーヴォー建築 時代 · 新古典・歴史主義 類型 · 宮殿・邸宅 ★ 世界遺産「建築家ヴィクトール・オルタの主要な邸宅群」の構成資産(2000年登録)

タッセル邸 Hôtel Tassel

Hôtel Tassel

ブリュッセルに立つ、ヴィクトール・オルタ設計の邸宅。1893〜94年に建てられ、鉄の構造を植物のような曲線の装飾へと昇華させた、史上初の本格的なアール・ヌーヴォー建築とされる。

FIG. 02 — Location50.8278° N 4.3620° E
ベルギー ブリュッセル首都圏地域 ブリュッセル
§1 — 概要

概要

タッセル邸(Hôtel Tassel)は、ベルギーの首都ブリュッセルに立つ邸宅で、ヴィクトール・オルタが設計した。1893年から1894年にかけて建てられ、史上初の本格的なアール・ヌーヴォー建築としばしば呼ばれる、記念碑的な作品である。

歴史

科学者エミール・タッセルの依頼で、都市の狭い間口の敷地に建てられた。オルタは、それまでの歴史的様式のいずれにも頼らず、新しい時代の住宅の言語を一から組み立てた。この建物の成功によって、ブリュッセルはアール・ヌーヴォーの一大中心地となる。2000年、オルタの主要な邸宅群の一つとして世界遺産に登録された。

建築的特徴

最大の革新は、鉄の構造を隠さず、それを装飾そのものへと変えた点にある。中央階段の吹き抜けでは、露出した鉄の柱や梁から、植物の蔓のような曲線(ホイップラッシュ曲線)が伸び広がり、壁画やモザイク、ステンドグラスの曲線と響き合う。家具や手すり、床のタイルにいたるまで同じ曲線が貫き、室内全体が一つの有機的な作品となった。工業の素材である鉄を、生命感あふれる優美な曲線へと昇華させた逆説に、この様式の本質がある。

意義・現在

タッセル邸は、過去の様式に背を向けて生まれた最初のアール・ヌーヴォー建築として、デザイン史にゆるぎない位置を占める。鉄とガラスを装飾の言語として用いるその手法は、ヨーロッパ各地に波及した。現在も世界遺産として保存されている。

関連する建築

Related
同じ様式
ボザール様式 グラン・パレ
1900 · パリ
グラン・パレ
Charles Girault

1900年のパリ万博のために建てられた、シャンゼリゼに臨む大展示館。アンリ・ドゥ…

同じ時代
構造表現主義 エッフェル塔
1889 · パリ
エッフェル塔
Stéphen Sauvestre

エッフェル塔(tour Eiffel)は、パリ七区のシャン・ド・マルスに立つ高さ約330メ…

同じ時代
新古典主義建築 自由の女神像
1886 · ニューヨーク
自由の女神像
Eugène Viollet-le-Duc

ニューヨーク港リバティ島に立つ新古典主義の巨像。フランスからアメリカへ贈られ…

データ: Wikidata (Q1881679) / 画像: © Karl Stas / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.23
ENTRY ID — BLD-0328